ルノーAMC34/35軽戦車

Light Tank Renault AMC34/35

フランス陸軍 1934年

AMC35
AMC35軽戦車(47mm砲を搭載した標準型)

 機械化騎兵部隊用の偵察戦車としてAMR軽戦車を 開発・採用したフランス軍であったが、AMR軽戦車は機動性を重視したため装甲が薄く戦闘には不向 きであった。そこでAMRの装甲を強化したモデルの開発を行うことにしたのである。
 AMR軽戦車の車台を流用、装甲とサスペンションを強化した試作車は1934年に完成した。この 試作車(ルノーYR型)にはルノーFT軽戦車の 砲塔がそのまま搭載されていたが、量産型には新設計の鋳造砲塔に25mm短砲身砲を装備した物が搭載さ れた。同年中にAMC(Auto-mitrailleuse de Combat:戦闘用機銃車の略)34として制式採用となっ たものの砲塔のサイズの割に車体が小さく取り扱いに難があったためごく少数が生産されたのみに終わ っている。
 そのためルノー社では35年に改良型となる車両(ルノーACG1型)を開発、車体の延長や水平ラ バースプリング装着のシザース式サスペンション採用など全面的な改良を施した試作車は同年AMC3 5として制式採用された。砲塔は鋳造構造と圧延鋼板を組み合わせた特徴的な物で、これに短砲身47mm 砲を装備した(派生型として25mm長砲身対戦車砲を搭載したモデルもある)。
 しかし制式採用となったものの、他の軽戦車の生産が優先されたため当戦車の生産は遅々として進ま ず、第二次大戦開戦時点で47両がフランス軍に引き渡されていたのみであった。部隊配備も行われて いなかったためドイツ軍が侵攻した際には臨時的に編成された部隊に所属しているが活躍の場は無かっ た。
 なお大戦前AMC35はベルギーに若干数が輸出されており、ベルギー向け車両は車載機銃をオチキ ス13.2mm重機に変更されている。ドイツ軍占領後に若干数のAMC34/35が接収されているが、配 備台数が少なく性能も今ひとつだったためドイツ軍も鹵獲兵器として使用せずスクラップにしたようだ。

スペックデータ(AMC35)
全長 4.44m全高 2.34m
全幅 2.11m重量14.5トン
最高速度40km/h行動距離125km
発動機ルノー 水冷直列4気筒ガソリンエンジン 180馬力×1基
乗員数3名総生産数80両弱(輸出用含む)
武装SA35 47mm戦車砲×1、M31 7.5mm機銃×1
(47mm砲の代わりにオチキス25mm対戦車砲を搭載したモデルもある)
最大装甲厚(最大厚部)25mm
派生改良型 Renault YR:試作車の社内呼称。AMR軽戦車の装甲強化型
AMC34:YR型の制式採用後名称。生産数は少数(12両?)
Renault ACG1:YR型の全面改良型。車体延長やサスペンションの改良を実施
AMC35:ACG1型の制式採用後名称。ベルギーへの輸出も行われた