巡航戦車センチネル

Cruiser Tank "Sentinel"

オーストラリア陸軍 1942年

Sentinel
初期モデルであるセンチネルAC1

 英連邦の一員であったオーストラリア陸軍の装備する戦車は英国からの輸入に頼っていた。ところが欧州で 第二次大戦が勃発し、英国製戦車の取得が当分無理となったため自国内で戦車を開発・生産することにしたの である。しかしオーストラリアは重工業が発達しておらず、自動車製造の経験すら無かったため英国から戦車 設計技術者を招いての開発となった。
 1940年11月にAC1(Australian Cruiser 1)と名付けられた最初の仕様が決定、車台は米国の M3中戦車を、砲塔は英国の巡航戦車 (Mk.V カビナンター等)を参考に しており、搭載エンジンは米国製ギバーソン・ディーゼルが予定されたが、取得が困難だったため自動車用エン ジン3基を組み合わせたものに変更されている。
 ギアやトランスミッションの不具合から機動性は高く無かった戦車ではあるが、英国で強力な対戦車砲である 17ポンド砲が開発されると、その砲を組み込んだAC4も生産されるようになった。だが大戦中期になってオ ーストラリア本土が戦場になるおそれが無くなったことと、大量に生産された 米国製M4中戦車などの供与が始まったことも あって1943年7月に生産中止となっている。
 成功作とは言い難い戦車であったが、脆弱な日本軍戦車を相手にするには充分以上の性能を持っていた。

スペックデータ(センチネルAC1)
全長 6.32m全高 2.55m
全幅 2.76m重量28.5トン
最高速度48km/h行動距離320km
発動機キャデラック 水冷V型8気筒ガソリンエンジン 110馬力×3基
乗員数5名総生産数766両
武装2ポンド戦車砲×1、7.7mm機銃×2
最大装甲厚(上面)25mm〜(前面)65mm
派生改良型 Sentinel AC1:初期生産型。2pdr砲搭載。ギア不調により生産数は少ない
Sentinel AC2:AC1のギアを改良したモデル。工作技術不足のため採用されず
Sentinel AC3:ギアを単純化した改良型。25pdr砲を搭載した歩兵支援型
Sentinel AC4:AC3と同様の車台。17pdr砲を搭載した最終モデル