マーチン P5Mマーリン

P5M Marlin , Martin

SP-5B
米海軍VP−40所属のP5M−2S(SP−5B)

 米海軍は第二次大戦直後に飛行艇PBMマリナーの 更新を検討しはじめ、それを受けてPBMの開発元であるマーチン社はPBM(の最終モデルPBM−5)を ベースにした発展改良型で応えることにした。モデル237と名付けられた原型機は、新しい艇体とPBMの 主翼を組み合わせたもので、PBMよりも大出力なR-3350エンジンが搭載され、尾翼はPBMの特徴的なもの とは異なりオーソドックスな単垂直尾翼に改められている。原型機の背面には動力機銃座が、機首と尾部には レーダー照準型の機関砲も装備されている。
 原型機は1948年5月30日に初飛行しPBMに劣らない優秀な能力を発揮したが、大戦後の軍縮もあっ て米海軍から量産機の発注を受けたのは朝鮮戦争勃発後の1951年になってからであった。最初の量産機は 同年6月に初飛行し翌年米海軍へ納入されたが、原型機とは異なり機首銃座は捜索レーダーに変更され、操縦 席の視界を良くするために背面銃座も廃止され艇体上部を高くしていた。167機の初期生産型P5M−1に 続いて116機の改良型P5M−2が生産された。この改良型では尾部銃座を廃止してMAD(磁気探知装置) を装備し、尾翼はT字型のものに変更されている。米国が同盟国と結んでいた相互援助計画の一環として、当 機もフランス海軍向けに少数機が生産され、1950年代末にP5M−2が供与されている(その後1960 年代半ばに米国へ返還された)。
 当機は朝鮮戦争からベトナム戦争で使用され、1960年代後半に全機が退役している。

機体詳細データ(P5M−2(P−5B))
寸法(L×W×H/翼面積)30.66×36.02×9.97m / 130.60m2
機体重量(自重/全備)22,900kg / 38,600kg
飛行速度(最大)404km/h(海面高度)
上昇率(海面上)365m/min
上昇限度(実用)7,300m
離着陸距離(離陸/着陸)不明
航続距離3,300km
エンジンライト社製R-3350-32WAレシプロエンジン×2基(出力3,450hp×2)
武装航空魚雷×4または2,000lb(907kg)爆雷×4など約3,600kgまでの兵装を胴体爆弾倉に
搭載可能。主翼下に1,000lb(454kg)の機雷・爆雷を搭載可能
乗員数/機体初飛行11名 / 1948年5月30日(XP−5M原型機)
備考(各タイプ詳細) XP-5M:原型機。PBM−5飛行艇を改修。R-3350エンジン(3,250hp)搭載。社内呼称Model 237
P5M-1:初期生産型。R-3350-30WAエンジン(3,400hp)搭載。後にP-5Aと改称
P5M-1G:米沿岸警備隊向けに製作された機体。非武装の捜索救難任務機
P5M-1S:P5M-1の尾部にMADを装備した対潜能力向上型改修機の呼称。後にSP-5Aと改称
P5M-1T:海軍へ移管されたP5M-1Gの呼称。機上作業練習機として使用。後にTP-5Aと改称
P5M-2:最終生産型。MAD装備。R-3350-32WAエンジン(3,450hp)搭載。後にP-5Bと改称
P5M-2G:米沿岸警備隊向けに製作された機体。非武装の捜索救難任務機
P5M-2S:P5M-2に対潜能力強化の改修を施した機体の呼称。後にSP-5Bと改称
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