イリューシン Il−38”メイ”

IL-38 "MAY" , Ilyushin

Il-38
旧ソビエト海軍航空隊所属のIl−38”メイ”

 旧ソビエト初のデジタルコンピュータを使用した捜索・探知システム"ベルクート"(黄金の鷲)を搭載した 対潜哨戒機。米国のP−3オライオンと 同様、旅客機をベースに改造した機体を利用している。
 1960年代はじめに完成した原型機には"ベルクート"システムは搭載されていなかったが、その後システ ムを搭載した長期テストを実施し、1965年頃から量産型機体の生産が開始され1967年頃から部隊配備が 始まった。
 旧ソビエト海軍航空隊の洋上哨戒は3段階に分割されており、沿岸海域の哨戒については ベリエフBe−12が、遠距離 (沿岸から4000km程度)海域の哨戒は ツポレフTu−95/142が、 そして中距離(沿岸から2000km程度)海域の哨戒を当機が受け持つようになっていた(現在は近距離海域の 哨戒については対潜ヘリコプターなどが使用されている)。
 当機の外観上の特徴としては機体後尾に延びたMAD(磁気異常探知)システムと機首下部の捜索レーダーが 目立つ部分であるが、胴体も改造されており取り付けられた2個の爆弾倉には爆雷や魚雷、機雷などを搭載できる ようになっている。また近年翼下に対艦ミサイルを搭載できる能力を付加されたという説もある。
 1970年代になって当機の近代化改修計画が持ち上がったが、これはTu−95RTs改良型のTu−142 Mが完成したことや予算不足などから中止されており、今後も改修の予定は無いようだ。

機体詳細データ(Il−38)
寸法(L×W×H/翼面積)39.60×37.42×10.16m / 140.0m2
機体重量(自重/全備)36,000kg / 63,500kg
飛行速度(最大/巡航)685km/h / 610km/h(哨戒速度は400km/h)
上昇率(海面上)不明
上昇限度(実用)10,000m(哨戒高度は600m)
離着陸距離(離陸/着陸)1,300m / 850m
航続距離7,200〜8,500km
エンジンイフチェンコ設計局(現プログレス)製 AI−20Mターボプロップ×4基
出力 4,250hp×4  機体内燃料搭載量 30,000リットル
武装胴体内に対潜爆雷、魚雷等を搭載可能。翼下に対艦ミサイル?
乗員数/機体初飛行7〜9名 / 1961年9月27日
備考(各タイプ詳細) Il-18:ベースとなった旅客機型の呼称。軍用貨物機としても使用
Il-38:対潜哨戒型の呼称。インドにも5機輸出(57機)
LAST UPDATE 2001,05,04