国土の大半が森林であるカナダでは森林火災に対処するための航空機開発が必要とされていた。広範囲に対する
消火活動では地上からの放水やヘリコプターからの散水では間に合わないからである。そこでカナダの航空機メー
カーであるカナデア社では他に類を見ない『水爆撃機』を開発することにした。これは旧式な米国製爆撃機を改造
した消防機が有効性を示していたことを受けてのことであった。
陸上機改造の消防機では水の搭載に手間取り空港と火災現場の往復に時間がかかることが大きな悩みであったが、
カナデア社では設計段階からその点を考慮し、カナダ国内に豊富に点在する池や湖から直接水を得ることができる
(もちろん海上から得ることも可能な)水陸両用飛行艇を開発したのである。
胴体内に約5,000リットルの水タンクを持っているこの機体は、湖などの水面から着水滑走しながら(必ず
しも着水する必要は無く、水面上を超低空飛行しながらでも可能)水をくみ上げることができ、大きなタンクを一
杯にするのに10秒ほどしかかからないという優れもの(空港に着陸のうえホースにて給水することも可能だが、
この場合は専用施設を必要とし時間も2分ほどかかる)で、このようにしてくみ上げた水は消火用の科学剤と混合
して火災現場へ一度に投下することができる。ただし大量の水を利用することから油や化学薬品による火災消火に
は向いていない。
カナダでは各州の消防当局が当機を多数導入しているが海外顧客にも好評を持って迎えられ、フランスやイタリ
アをはじめ8カ国へ輸出されている。また大型機体の飛行艇という限られた市場では他に選択肢が少ないこともあ
ってスペインやタイでは水タンクの替わりに居室を据え捜索救難機として使用している。
現在の生産モデルは旧式化したレシプロエンジンをターボプロップ(P&Wカナダ社製PW-R123AF、2,380馬力×
2)に換装した改良型へ移っており、旧型を使用しているユーザーに対してカナデア社では改良型にアップグレー
ド(改良済みのモデルはCL−215Tと呼称される)する改造キットの供給を行っている。
| 機体詳細データ(CL−215:【 】内はCL−415の性能) |
| 寸法(L×W×H/翼面積) | 19.82×28.60×8.98m / 100.33m2 |
| 機体重量(自重/全備) | 12,738kg / 19,731kg |
| 飛行速度(巡航) | 291km/h(高度3,050m) 【376km/h】 |
| 上昇率(海面上) | 305m/min 【400m/min】 |
| 上昇限度(実用/限界) | 不明 |
| 離着陸距離(離陸/着陸) | 約900m / 約700m |
| 航続距離 | 2,094km |
| エンジン | P&Wカナダ社製 R-2800-CA3星形空冷複列ピストンエンジン×2基 出力2,100馬力×2 【P&Wカナダ社製 PW-R123AFターボプロップ×2基 出力2,380馬力×2】 |
| 武装 | 武装なし。水タンクに5,346リットル【6,130リットル】の水を搭載可能 |
| 乗員数/機体初飛行 | 2〜4名 / 1967年10月23日 【1989年6月8日(CL-215T)】 |
| 備考(各タイプ詳細) |
CL-215:最初の生産モデル。レシプロエンジン搭載。輸送機型は乗客20名程度を搭載可能
CL-215T:CL-215のエンジンをターボプロップに換装したモデルの呼称
CL-415:現在の生産モデル。CL-415Tとも呼ぶ。最初からターボプロップを搭載した改良型
CL-415M:CL-415の海上救難機型モデル
CL-415GR:ギリシアの発注による受注モデルの呼称
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