シコルスキー/ウェストランド H−34/ウェセックス

H-34/WESSEX , Sikorsky/Westland

Wessex
英空軍第28飛行隊(香港駐留)所属のウェセックスHC.Mk2

 ヘリコプターメーカーのパイオニアであるシコルスキー社が米海軍のXHSS−1要求に より開発した汎用ヘリコプター。初飛行に成功した後、1950年代中頃にはHSS−1と して正式契約され、米海兵隊(HUS−1)や米空軍(H−34)などにも相次いで導入さ れた。1962年には米軍統一命名基準が定められたため、米空軍が付与していたH−34 が当機の制式名称となった。なお、当機のシコルスキー社での呼称はS−58であり民間向 け機体や輸出用機体などもS−58と呼ばれる。
 機首にエンジンを搭載しキャビン上部に独立した操縦席を持つスタイルをした当機は、 キャビンスペースを広く取れるため兵員輸送や捜索救難任務などに重宝された。
 当時、シコルスキー社以外のヘリコプターメーカーは、自社で新技術を開発することより もシコルスキー社が持つパテント技術の習得を最重要課題としていたため、当機も世界各国 のメーカーによりライセンス生産が行われた。特に英ウェストランド社は機体製造ライセン スを取得して電子装備やエンジンを英国製の物に変更するなどの応用も行っている。
 米軍所属機は1980年代はじめに全機退役してしまったが、英軍ではフォークランド紛 争などでも活躍を示すなど1990年代まで現役であったし、米軍中古や民間型を導入した 中南米・東南アジア諸国では機体寿命を延長して現在も現役として活躍している。

機体詳細データ(ウェセックスHC.Mk2)
寸法(L×W×H/ロータ径)14.74×3.66×4.93m / 17.07m
(全長は胴体のみ、全幅は降着装置の左右間隔の寸法)
機体重量(自重/全備)3,770kg / 6,100kg
飛行速度(最大/巡航)212km/h / 195km/h
上昇率(海面上)503m/min
上昇限度(実用/限界)3,050m / 地面効果無しのホバリング限界1,200m
離着陸距離(離陸/着陸)−−−−−−−
航続距離540km(内部燃料のみ)、770km(増槽使用)
エンジンロールスロイス・ブリストル社製グノームMk110/111ターボシャフト×各1基
出力 2基合計で1,550hp  機体内燃料搭載量 1,100kg
武装誘導魚雷×2、SS−11ミサイル×4、ロケット弾ポッド×2、ガンポッドなど搭載可能
乗員数/機体初飛行乗員2名+兵員16名 / 1954年3月8日(XHSS−1)
備考(主要タイプ詳細) (シコルスキー社製造機体)
XHSS-1:原型機。米海軍の要求により開発
CH-34A:主に米陸軍向けの機体。ライトR1820エンジン搭載。旧呼称H−34A
HH-34D:米空軍予備隊向けの機体。捜索救難任務用
UH-34D:米海兵隊向けの機体。旧呼称HUS−1
SH-34G:米海軍向けの機体。旧呼称HSS−1
SH-34J:米海軍向け全天候型機。旧呼称HSS−1N
S-58:民間向けモデルの呼称。各国へ輸出もされた他ライセンス生産機もあり
S-58T:P&WカナダPT6Tエンジンを搭載した改良型
(ウェストランド社製造機体)
WESSEX:輸入したHSS−1原型および英国製原型機の呼称
WESSEX HAS.Mk1:英空軍向け機体。ガゼルMk161エンジン搭載
WESSEX HC.Mk2:英空軍向け機体。グノームMk110/111エンジン搭載
WESSEX HAS.Mk3:エンジン出力強化とレーダーを搭載したMk1の近代化型
WESSEX HU.Mk5:英海軍向け機体。強襲・輸送型。Mk2の改良型
WESSEX srs60:民間向けモデルの呼称。srsは”シリーズ”の略
LAST UPDATE 2001,01,08