シコルスキー/ウェストランド H−19/ホワールウインド

H-19/WHIRLWIND , Sikorsky/Westland

S-55
航空自衛隊浜松基地(救難飛行隊)所属のH−19

 回転翼機の第一人者であるイゴール・シコルスキーが生み出した最初の実用貨物ヘリコプター。第二次大戦中 から回転翼機の研究を続けていた米国陸軍は「乗員2+兵員10または担架8を搭載して340kmの距離を飛行 できる」機体としてシコルスキー社に対しYH−19の名称でヘリコプターの発注を行った。
 原型機であるYH−19は600馬力のプラット&ホイットニー社製ワスプR−1340エンジンを機首に搭 載し、機体を斜めに貫く駆動軸でロータを回転させる構造をしていた。これは胴体上部にエンジンを配置するこ とで重心が高くなり地上で不安定になったり、高い位置にあるエンジンでは整備に手間がかかることを考えての ことであった。
 初期の回転翼機全てに言えることではあるが操縦は非常に難しく、操縦士の操縦技能レベルはかなり高い物を 求められた。しかし、YH−19の実用試験機は朝鮮戦争にも出征し、非常に有効であることが確認されたため 米軍は1951年にH−19として制式採用、H−19Aを50機発注した。
 シコルスキー社ヘリコプターのライセンス生産最大手であるウェストランド社も当機のライセンス生産を実施 しており、こちらはホワールウィンドと名付けられている。ホワールウィンドは英国空軍や海軍などで活躍して いる。また、S−55(H−19のシコルスキー社社内名称)は世界各国の軍や民間航空会社でも使用され、1 950年代後半には西側諸国で使用していない国を数えた方が早いといわれるほど普及した。

機体詳細データ(H−19B)
寸法(L×W×H/ロータ径)12.88×不明×4.06m / 16.15m(全長は胴体長、全幅は資料なし)
機体重量(自重/全備)2,380kg / 3,600kg
飛行速度(最大/巡航)180km/h / 146km/h
上昇率(海面上)不明
上昇限度(実用/限界)不明
離着陸距離(離陸/着陸)−−−−−−−
航続距離580km
エンジンライト社製 サイクロンR−1300−3レシプロエンジン×1基
出力 800hp  機体内燃料搭載量 680リットルy
武装武装なし
乗員数/機体初飛行乗員2名+救助員2+担架6 / 1949年11月10日(YH−19)
備考(各タイプ詳細) 【シコルスキー社製造機体】
YH-19:原型機・実用試験機の呼称。R−1340エンジン搭載(5機)
H-19A:米空軍向け生産型。尾部にV字型ひれを追加(55機)
H-19B:米空軍向け生産型。後にUH−19Bと改称。ライトR-1300搭載(270機)
SH-19B:MATS向け生産型。後にHH−19Bと改称。H−19B相当
H-19C:米陸軍向け生産型。後にUH−19Cと改称。H−19A相当(72機)
H-19D:米陸軍向け生産型。後にUH−19Dと改称。H−19B相当(338機)
HO4S-1:米海軍向け生産型。H−19A相当(10機)
HO4S-3:米海軍向け生産型。後にUH−19Fと改称。H−19B相当(81機)
HRS-1:米海兵隊向け生産型。H−19A相当(60機)
HRS-2:米海兵隊向け生産型。HRS−1の小変更型(91機)
HRS-3:米海兵隊向け生産型。H−19B相当(89機)
S-55:シコルスキー社での社内呼称。民間向けモデルもこの呼称である
【ウェストランド社製造機体】
WHIRLWIND HAR.Mk1:英海軍向け救難機型。R−1340搭載
WHIRLWIND HAR.Mk2:英空軍向け救難機型。HAR.Mk1相当
WHIRLWIND HAR.Mk3:英海軍向け救難機型。Mk1の出力強化型
WHIRLWIND HAR.Mk4:英空軍向け救難機型。Mk2の出力強化型
WHIRLWIND HAR.Mk5:英海軍・豪州向け救難機型。レオニーズメージャーエンジン搭載
WHIRLWIND HAS.Mk7:英海軍向け対潜/連絡機型
WHIRLWIND HCC.Mk9:英女王飛行小隊用連絡機型。レオニーズメージャーエンジン搭載
WHIRLWIND HAR.Mk9:英海軍向け救難機型。HAS.Mk7準拠
WHIRLWIND HAR.Mk10:英空軍向け救難機型。グノームタービンエンジン搭載。旧型を改装
WHIRLWIND HCC.Mk12:英女王飛行小隊用連絡機型。グノームタービンエンジン搭載
WHIRLWIND HAR.Mk21:シコルスキー社が生産した英海軍向け救難機型の呼称
WHIRLWIND HAS.Mk22:シコルスキー社が生産した英海軍向け対潜/連絡機型の呼称
LAST UPDATE 2001,01,27