ベル H−58カイオワ

H-58 KAIOWA , Bell

OH-58
ベトナム上空を飛行する米国陸軍所属のOH−58A(制圧用のミニガンを発射している)

 1960年に米国陸軍が始めた観測用軽ヘリコプター(LOH)の設計競争にベル社が提出した機体は 結局ヒューズ社の機体(後にOH−6とし て採用)に破れてしまったが、この機体を元にベル社は民間向けの軽ビジネスヘリコプターとしてモデル 206Aを開発した。このモデル206Aはジェットレンジャーという愛称のもと世界各国の民間市場に 展開し現在もベストセラーヘリコプターとして輝ける地位を誇っている。
 ヒューズ社の機体を採用した米国陸軍はOH−6を4,000機導入する計画をたてていたが、機体価 格の上昇により発注計画の見直しが行われ、1968年にベル社のモデル206Aが新規受注を受けるこ とになった。民間向け機体に若干の設計修正や搭載装備の変更を施された機体はOH−58Aカイオワと 名付けられ翌年から納入が開始、納入直後からベトナムで実戦参加することになったのである。
 ベトナム戦争では観測・偵察ヘリコプターとして前線を飛び回り活躍したほか、1991年の湾岸戦争 でもAH−64アパッチ攻 撃ヘリなどと連携して大活躍した。
 1981年に行われた米陸軍ヘリコプター改善計画(AHIP:観測支援任務の大幅な電子化による能 力向上計画)によりOH−58の改良型であるOH−58Dが選定され、ローターマスト上へのセンサー ポッドや空中目標伝達システムを搭載したヘリが現在の米陸軍主流装備機である。この近代化されたOH (AH)−58Dには兵装搭載アームも装備されており自衛用AAMや対戦車ミサイルなどの搭載も可能 となっている。

機体詳細データ(OH−58D)
寸法(L×W×H/ロータ径)12.85×不明×3.93m / 10.67m
(全長はローターを含むサイズ、機体全幅についてはデータ不明)
機体重量(自重/全備)1,281kg / 2,041kg
飛行速度(最大/巡航)241km/h / 211km/h
上昇率(海面上)469m/min
上昇限度(実用/限界)4,575m / 地面効果内ホバリング限界3,050m
離着陸距離(離陸/着陸)−−−−−−−
航続距離463〜555km
エンジンアリソン社製 T-703-A-700ターボシャフト×1基
出力 650hp×1  機体内燃料搭載量 399リットル
武装スティンガーAAM×4またはヘルファイアATM×4
乗員数/機体初飛行2名 / 1966年1月10日(モデル206A原型)
備考(各タイプ詳細) Model 206A:民間向け軽ヘリコプターの呼称
OH-58A:米陸軍向け最初の生産型偵察ヘリの呼称
TH-58A:米海軍向け機体。OH−58Aの複操縦装置付きモデル
CH-136:カナダ軍向け機体の呼称。OH−58Aと同型
OH-58B:オーストラリア軍向け機体の呼称。OH−58Aとほぼ同等
OH-58C:エンジン出力強化、キャノピー整形を施した改良型の呼称
OH-58D:ローターマスト上にセンサー類を搭載した高性能偵察ヘリ
AH-58D:D型に攻撃兵装搭載を付加した機体。D型は全機このタイプに改修
MH-58D:サウジアラビア向け機体。兵員搭載能力がある。武装はOH−58D準拠
PRIME CHANCE:D型に兵装搭載設備を追加したAH−58D原型
Model 406:D型からマストセンサーを取り除いた機体の呼称
LAST UPDATE 2001,03,24