シコルスキー H−54ターヒ

H-54 TARHE , Sikorsky

CH-54
米国陸軍所属のCH−54A

 シコルスキー社が開発した大型侵攻用ヘリコプターS−56(米軍名CH−37モハービ)のエンジン、 動力伝達機構、回転翼システムを受け継いで設計された重量物吊り下げ運搬ヘリコプター。
 垂直離着陸や空中静止が可能なヘリコプターの特性からヘリコプターに貨物を吊り下げて"空中クレー ン"とする使用方法は初期のヘリコプターから研究されてきたが、シコルスキー社はこの"空中クレーン" に特化したS−60と名付けた機体の開発を1958年から開始、翌年3月に初飛行させることに成功した。
 このS−60は5,400kgの荷重を吊り下げて飛行することが可能であったが、1961年4月に事故 で失われてしまった。しかし、シコルスキー社はS−60より1枚多い6枚羽根ローターと4,050馬力 のJFTD−12Aターボシャフトエンジンを搭載した拡大改良型S−64の製作を行い、1962年に初 飛行させたのである。このS−64は西ドイツ軍で審査されたが西ドイツからの発注は見合わされている。 だが、4,500馬力のP&W社製T73−P−1エンジンに換装したS−64Aを1963年6月に米国 陸軍が採用、CH−54Aと名付けられた。
 操縦席には正副2名の操縦士が搭乗するが副操縦士の座席は180度回転させることが可能で、操縦席後 方の窓から貨物の吊り下げを制御できるようになっている。なお重量物を『輸送』するというよりは『移動』 させることに重点を置いて設計されており、機体内に燃料を搭載するスペースも少ないため航続距離は短い。
 ベトナム戦争直前にはエンジン出力を強化したCH−54Bも完成し、戦争中は米陸軍第478および2 91航空隊で重量物の吊り下げ運搬任務に従事したが、現在その任務は H−53スーパースタリオンな どにバトンタッチしつつある。

機体詳細データ(CH−54B)
寸法(L×W×H/ロータ径)21.41×不明×5.67m / 21.95m
(全長はローターを除く、全幅はデータ無し)
機体重量(自重/全備)9,000kg / 21,300kg
飛行速度(最大/巡航)不明 / 170km/h
上昇率(海面上)不明
上昇限度(実用/限界)不明
離着陸距離(離陸/着陸)−−−−−−−
航続距離370km(最大燃料+10%予備燃料)
エンジンプラット&ホイットニー社製 T73−700ターボシャフト×2基
出力 4,800hp×2
武装武装なし。機外に最大9,000kgまでの荷重吊り下げが可能
乗員数/機体初飛行2名 / 1959年3月25日(S−60)、1962年5月9日(S−64)
備考(各タイプ詳細) S-60:最初の重量物吊り下げ運搬型ヘリ。原型のみ
S-64:S−60を拡大改良した機体。JFTD−12Aエンジン搭載(2機)
S-64A:エンジンをT73−P−1に換装しエンジン出力を強化した機体
CH-54A:米陸軍が採用したS−64Aの呼称。愛称はターヒ(約60機)
CH-54B:エンジン出力を強化した機体(25機)
LAST UPDATE 2001,03,27