シコルスキー H−53スーパースタリオン

H-53 SUPER STALLION ,Sikorsky

HH-53
米空軍のHH−53Hスーパージョリー

 米国海兵隊の要望に応えるため開発された重輸送ヘリコプター。ベトナム戦争などで活躍したシコルスキーH−37 モハービ輸送ヘリの代替として完成した。完成した機体の使用用途が非常に幅広いことに気がついた米軍は海兵隊だけ でなく空軍や海軍なども導入を行い、輸送任務以外に捜索救難や航空掃海などに使用されている。最初は双発エンジン の機体として生産されたが1980年代にエンジンを3発搭載したE型が開発され、現在はこのE型が主要生産タイプ となっている。
 空軍所属のHH−53は敵地深くに侵入する特殊部隊支援任務にも従事するため、地上制圧用火器としてジェネラル エレクトリック社が開発した7.62ミリ口径の6銃身連装機関銃「ミニガン」を搭載している。この機銃は戦闘機に 搭載されているM61バルカン砲と同じ原理で作動し、1分間に4000発の弾丸シャワーを地上へ注ぐことが可能で ある。海軍所属のMH−53は航空掃海に使用するため胴体内に大型燃料タンクを装備して滞空時間を増やし、13ト ンもある曳航掃海具を曳きながら飛行することが可能である。
 海外セールスとしては帝政イランと日本、旧西ドイツへ輸出され、日本では海上自衛隊が掃海ヘリとして、ドイツで は空軍が捜索救難ヘリとして運用しているが、イランに輸出された大半の機体は現在運用不可能であると思われる。
 ちなみに機体愛称は「スーパースタリオン」と名付けられているが、海軍向け機体は「シースタリオン(双発型)」 「シードラゴン(3発型)」、空軍向け機体は「スーパージョリー」(特殊部隊支援機は「ペーブ・ロー」)などの愛 称でも呼ばれる。

機体詳細データ(MH−53Eシードラゴン)
寸法(L×W×H/ロータ直径)30.19×3.96×8.97m / 24.08m
(全長はロータ込み、全幅は降着装置の間隔寸法。胴体のみの全長は22.35m)
機体重量(自重/全備)15,071kg / 33,339kg
飛行速度(最大/巡航)315km/h / 278km/h (いずれも海面高度)
上昇率(海面上)664m/min
上昇限度(実用/限界)5,640m / 3,520m(地面効果付きホバリング限界)
離着陸距離(離陸/着陸)−−−−−−−
航続距離2,070km(空輸時)
エンジンジェネラルエレクトリック社製 T64−416ターボシャフト×3基
出力4,380hp×3 機体内燃料搭載量12,100リットル
武装曳航掃海具(MH−53)、7.62ミリ多銃身機銃(HH−53)、12.7mm機関銃×2(RH−53)など
乗員数/機体初飛行乗員3名、兵員55名搭載可能(HH−53) / 1964年10月14日
備考(各タイプ詳細) S-65:H−53の社内呼称
CH-53A:米海兵隊向けの輸送ヘリ。T−64−6エンジン2基搭載。「スーパースタリオン」
RH-53A:CH−53Dを改装した米海軍向け掃海ヘリ。「シースタリオン」
HH-53B:米空軍向けの捜索救難ヘリ。T−64−3エンジン2基搭載「スーパージョリー」
HH-53C:HH−53Bの改良型。T−64−7エンジン2基搭載
CH-53D:CH−53A改良型。出力増強型のT−64−413エンジン2基搭載
RH-53D:米海軍向け掃海ヘリの生産型
VH-53D:米海兵隊向けのVIP輸送ヘリ。CH−53Dを改修
CH-53E:エンジンを3発にした米海兵隊向け輸送型。「シードラゴン」
MH-53E:エンジンを3発にした米海軍向け掃海型
VH-53F:米海兵隊向けのVIP輸送ヘリ。CH−53E発展型。発注取り消し
CH-53G:ドイツ空軍向けの(双発)機体呼称。HH−53H相当
HH-53H:HH−53Cの発展型。夜間/悪天候作戦用に改修された特殊任務支援機。「ペーブロー」
MH-53J:日本の海上自衛隊向けMH−53Eの呼称
LAST UPDATE 2000,11,22(First Up 2000,11,18)