ベル H−1イロコイ

H-1 IROQUOIS , Bell

UH-1
米陸軍所属のUH−1H

 米国ベル社が開発した多用途輸送ヘリコプターのベストセラー機。朝鮮戦争において実戦下での ヘリコプター運用評価(ベルH−13や シコルスキーH−19を 使用)を行った米陸軍はこの実績を元に新型汎用ヘリコプター開発を開始した。この競作に勝利し たのがベル社提案のXH−40であった。
 XH−40を原型とするベル・モデル204は1959年に米陸軍から最初の生産注文を受け、H U−1Aと正式名称が付けられた。兵士達はこの正式名称をもじって「ヒューイ」という愛称をこの 機体に付けた(軍公式の陸軍ヘリ愛称にはインディアンの部族名を付けることが多く、当機もイロコ イ(イロコワともイロコイスとも呼ぶ)族の名前を取った愛称が付けられた)。
 輸送ヘリとしてベトナム戦争に出征した当機は、降着ソリに7.62mm機銃とロケット弾発射筒を 搭載して強襲任務にも従事し、改良型はガンシップ(銃撃機体)として7.62mmミニガンを搭載 しての地上制圧まで行うようになった。
 米軍の他にも世界各国の軍隊に導入が行われ、日本や西ドイツ・イタリアなどではライセンス生産 も実施されており、 後継機H−60などが導 入されている現在でも各国の中核ヘリコプターとして活躍している。

機体詳細データ(UH−1H)
寸法(L×W×H/ロータ径)17.62×2.91×4.41m / 14.63m
(全長はロータ含む。胴体のみ全長は12.77m。全幅は左右降着装置の間隔)
機体重量(自重/全備)2,360kg / 4,310kg
飛行速度(最大/巡航)200km/h(最大巡航)
上昇率(海面上)488m/min
上昇限度(実用/限界)3,840m / 地面効果付きホバリング限界 4,150m
離着陸距離(離陸/着陸)−−−−−−−
航続距離510km(空輸時:内部燃料のみ)
エンジンアブコ・ライカミング社製 T53−L−13ターボシャフト×1基
出力 1,400hp  
武装固定武装なし、自衛用小火器(7.62mm機関銃等)を機内に搭載可能
乗員数/機体初飛行乗員2名+兵員14名 / 1956年10月22日(XH−40)
備考(主要タイプ詳細) XH-40:原型機。社内呼称モデル204。XT53エンジン搭載(3機)
YH-40:評価兼開発用の生産前機。T53−L−1エンジン搭載(6機)
HU-1A:最初の生産型。後にUH−1Aと改称(182機)
TH-1A:米陸軍飛行学校用の練習機。複操縦装置と計器飛行練習装置搭載(14機)
UH-1B:T53−L−5エンジンと新型ローターを持つ改良型(4機)
UH-1C:燃料搭載量の増加とローターシステムの改修を行った改良型(767機)
UH-1D:エンジン出力強化、兵員室拡大などの改良を加えた機体(2,008機)
UH-1E:アルミ合金による軽量化を図った米海兵隊向け機体
UH-1F:T58−3エンジンを搭載した米空軍向け機体(120機)
UH-1H:最も量産された主要モデル。T53−L−13エンジン搭載(5,500機以上)
UH-1N:PT6−T3エンジンを2基搭載した双発型(300機以上)
VH-1N:米空軍・海兵隊向けの要人輸送型(新造6機+N型改修若干数)
UH-1V:電波高度計や電子距離測定装置を搭載した機体。H型改修
Model 205A:H型の民間向けモデル。多数が輸出された
Model 212:N型の民間向けモデル
Model 214:T55エンジンを搭載した高温高地向け機体。帝政イランに輸出
Model 412:新設計の4枚羽根ローターを搭載した改良型
LAST UPDATE 2001,01,21