ロッキード AH−56シャイアン

AH-56 CHEYENNE , Lockheed

AH-56
テスト飛行を行うAH−56A原型機

 ベトナム戦争の最中にマクナマラ国防長官が出した覚え書きにより開発が始まった米陸軍初(と言うか世界初)の 地上攻撃専用ヘリコプター。米陸軍のAAFSS(新型航空火力支援システム)構想によって定められた仕様に基づ いて全米のヘリコプター製造メーカーがこの開発試作に名乗りを上げたが、結局採用されたのはロッキード社の提案 であった。
 ロッキード社の提案する機体は縦列複座の操縦席を持つ細長い胴体に兵装搭載可能な全幅の小さい主翼を装備した 機体で、現在の攻撃ヘリコプターの標準とも言える形態を完成させていた。しかし搭載するエンジンがターボプロッ プ1基であったり、尾部先端に推進式プロペラを持つなど、攻撃ヘリコプターとして生存性やメンテナンス性に難が ある構造でもあった(ただし推進式プロペラのおかげで通常のヘリコプターよりも高速を得ることが可能であった)。
 1967年前半に米陸軍は385機の生産発注を行った。それまで固定翼機専門メーカーだったロッキード社とし ては新たな市場への参入を見込んだ野心作であったのだが、開発上の問題(回転翼ブレードの強度不足を解消できな かった)や開発期間延長に伴う開発コスト高騰から発注はキャンセルされてしまい、開発契約自体も1972年にな って終結させられてしまったのである。
 なお、当機を採用できなかったことで頓挫してしまったAAFSS構想だったが、戦時中という特殊な事情もあり 早急な攻撃ヘリコプターの調達を目論んだ米軍は、後に名機と賞されるようになる AH−1を暫定機種として採用したのであった。

機体詳細データ(AH−56A)
寸法(L×W×H/ロータ径)18.30×8.23×4.10m / 15.36m
機体重量(自重/全備)5,320kg / 13,600kg
飛行速度(最大/巡航)408km/h / 370km/h
上昇率(海面上)1,000m/min
上昇限度(実用/限界)不明
離着陸距離(離陸/着陸)−−−−−−−
航続距離1,400km
エンジンジェネラルエレクトリック社製 T64−GE−16ターボプロップ×1基
出力 3,925馬力×1
武装7.62mmミニガンまたは30mm機関砲×1、翼下にTOWミサイルまたは2.75インチロケット弾ポッド
乗員数/機体初飛行2名 / 1967年9月21日
備考(各タイプ詳細) AH-56A:米陸軍初の専用地上攻撃型ヘリ。開発問題から採用はキャンセルされた
LAST UPDATE 2002,12,07