ボーイング VC−25エアフォース・ワン

VC-25 AIRFORCE ONE , Boeing

VC-25
大統領専用機「エアフォース・ワン」として任務に従事するVC−25

 合衆国大統領が航空機により移動する際に使用される大統領専用機。1960年代に製作された専用機 VC−137(民間旅客機ボーイング707−320Cを改造した機体)の後継として1986年から製 作が開始された。
 全世界どこにでも飛行できる航続距離と広い居住スペースから、民間型旅客機ボーイング747−20 0Bがベースとして選定された。民間型と異なる点としては下部整形部にエア・ステアを内蔵したことと、 搭載される電子通信設備をバックアップするため追加されたAPU(補助動力装置)がある。
 客室スペースには大統領やスタッフの執務室、医務室、休憩室などの区切られたスペースと、随行員や 記者などが搭乗する座席が用意されている。パイロット以外に客室乗務員として20名程度が乗り込み客 室サービスを行うが、この乗務員もすべて空軍兵士である。また空中から軍や政府に対して指揮できるよ う衛星通信や暗号通信の設備も充実している。
 100名の乗客に対し7日間供給できるだけの食料品がストックされており、水と燃料さえ調達できれ ば独立しての行動も可能となっている。緊急時には空中給油を受けることも可能でこの場合72時間(エ ンジン滑油の限界時間まで)は無着陸で行動できる。
 VC−25は2機製作され、常にペアを組んでの行動を取るようになっている。これは大統領搭乗機に トラブルがあった場合の予備という意味合いと、大統領に次ぐ権限を持つ者(副大統領や上下院議長など) が同行する場合には分散搭乗してリスクを軽減させるためである。
 余談だがこの機体の名称を「エアフォース・ワン」と誤解されている人も多いが、実際に「エアフォー ス・ワン」と呼ばれるのは大統領が搭乗している時のみで、それ以外の場合には違うコールサインが与え られる。海兵隊が運用する大統領専用ヘリコプター VH−3A(よく米大統領が 乗り降りする姿が報道されている機体である)も当機と行動を共にする場合が多いが、このヘリコプター の大統領搭乗時のコールサインは「マリーン・ワン」となっている。

機体詳細データ(VC−25)
寸法(L×W×H/翼面積)70.51×59.64×19.33m / 511.0m2
機体重量(自重/全備)238,816kg / 364,552kg
飛行速度(最大/巡航)818km/h(最大巡航)
上昇率(海面上)不明
上昇限度(実用)8,110m
離着陸距離(離陸/着陸)3,300m/2,060m(民間型747−200B)
航続距離11,100km(無給油航続距離)
エンジンジェネラルエレクトリック社製 F103−GE−102ターボファン×4基
推力 25,741kg×4  機体内燃料搭載量 202,940リットル
武装武装なし
乗員数/機体初飛行乗員3名+乗客等100名 / 1990年1月26日(1号機)
備考(各タイプ詳細) VC-25:当機の米空軍における呼称。VCはVIP用輸送機を指す
AIRFORCE ONE大統領が搭乗しているときに使用される当機のコールサイン
LAST UPDATE 2001,05,26