ノースロップ T−38タロン

T-38 TALON , Northrop

T-38
米空軍第37TFW所属のAT−38B

 1950年代半ばにノースロップ社が軽ジェットエンジン搭載の小型戦闘機開発を目指していたころに生み 出された高等練習機。提案された軽戦闘機に対して米軍は全く乗り気ではなかったが、この機体の練習機型に ついてはかなりの可能性があることを見込み1956年1月に同社へ練習機型の提案を行うよう通告した。
 機体設計に着手したのは1958年1月で同年夏には原型1号機の機体が完成したが、ジェネラルエレクト リック社のエンジン調達に手間取り初飛行を実施できたのは翌年4月のことであった。この初飛行は大成功を 収め、超音速飛行能力を持つ高等練習機として米空軍の発注を受けることになった。J85エンジン2基を搭 載するが1基が停止した状態でも安全に飛行(1基のエンジンだけでも最大重量で離陸し1旋回しての緊急着 陸が可能)でき、油圧系統の故障時には重力によって降着装置を下げ固定するなどの安全対策も多く盛り込ま れている。
 ノースロップ社のベストセラー軽戦闘機 F−5シリーズは海外への販売が 主であったが、当機は米国内へのセールスが中心であり米空軍は最終的に1,100機以上の調達を実施した。 現在も多数が第一線に在籍しており今後も戦闘機操縦士達の訓練に使用されることであろう。
 余談ではあるがNASAにも数十機の機体が納入されておりスペースシャトル搭乗員の上級練習機/連絡機 として使用されているため、スペースシャトル打ち上げ前にはニュースなどでこの機体を見かけることも多い。

機体詳細データ(T−38A)
寸法(L×W×H/翼面積)14.14×7.70×4.31m / 15.79m2
機体重量(自重/全備)3,250kg / 5,670kg
飛行速度(最大/巡航)M1.3(11,000m) / 930km/h(12,000m)
上昇率(海面上)10,200m/min
上昇限度(実用)16,000m
離着陸距離(離陸/着陸)760m / 不明
航続距離1,800km(最大燃料)
エンジンジェネラルエレクトリック社製 J85−GE−5ターボジェット×2基
推力 1,790kg×2
武装武装なし。AT−38Bは胴体下に演習用爆弾や機銃ポッドを搭載可能
乗員数/機体初飛行2名 / 1959年4月10日(YT−38)
備考(各タイプ詳細) N-156T:ノースロップ社の自社開発計画呼称
YT-38:原型機および生産前機。YJ−85エンジン搭載(7機)
YT-38A:評価および試験用機体。最初の原型機3機を改称
T-38A:米空軍用の高等練習機。西ドイツにも輸出(1,187機)
AT-38A:武装練習機として評価するために改修されたA型(1機改修)
DT-38A:無人機指令機に改修されたA型。米海軍所属(4機改修)
GT-38A:地上教育任務用に格下げされたA型の呼称(15機)
NT-38A:米空軍の研究開発計画用に振り当てられた機体の呼称(2機改修)
QT-38A:DT−38AをECM任務用に改修した後の呼称
T-38B:武装練習任務用に改修したA型の呼称。後にAT−38Bと改称
AT-38B:武装練習機に改修したA型の現呼称(115機改修)
LAST UPDATE 2001,01,31