富士 T−3

T-3 , Fuji

T-3
航空自衛隊第11飛行教育団所属のT−3初等練習機

 太平洋戦争の敗戦により一切の航空機製造が禁止された日本であったが、1952年になってようやく 航空機産業の復活が認められるようになり、終戦まで数々の名機を生み出していた中島飛行機の後継とし て富士重工が設立されたのは1953年7月のことであった。
 同社航空機部門の最初の仕事は ビーチモデル45のライセン ス生産であったが、このベストセラー軽飛行機は民間・軍用ともにかなりの需要があり自衛隊でもLM− 1/T−34の名称でかなりの数が連絡・練習任務に従事していた。
 この機体の後継として開発されたのが当機T−3で、最初は陸上自衛隊が使用していたLM−1連絡観 測機の後継として機体はそのままにエンジンを強力なアブコ・ライカミング社製IGSO−480エンジ ンに換装した機体をLM−2として製作したのが最初だった。次に同機体を海上自衛隊もT−34練習機 の後継としてKM−2の名称で採用された。このLM−2/KM−2は民間向けモデルと同様に並列配置 の操縦席と後部乗員席を持ち4〜5名の搭乗が可能であったが、純粋な初等練習機を求めていた航空自衛 隊によりT−34練習機と同様の縦列配置操縦席を持った機体が製作されることになっている。この並列 複座操縦席を持つ機体は1974年に初飛行し、最初は民間向けとして世に送り出され航空自衛隊も19 78年からT−3と名付け導入を開始、1982年までに50機の納入を受けた。
 T−3は現在も航空自衛隊の初等練習機として使用されており(海上自衛隊が練習機として使用してい たKM−2は既に退役し T−5練習機と交代している)、 航空自衛隊パイロットを目指す者達が最初に乗る機体として活躍中である。

機体詳細データ(T−3)
寸法(L×W×H/翼面積)8.04×10.00×3.02m / 16.5m2
機体重量(自重/全備)1,136kg / 1,500kg
飛行速度(最大/巡航)423km/h / 380km/h
上昇率(海面上)646m/min
上昇限度(実用)8,170m
離着陸距離(離陸/着陸)265m / 213m
航続距離964km
エンジンアブコ・ライカミング社製 IGSO-480-A1F6水平対向ピストンエンジン×1基
出力 340hp  機体内燃料搭載量 265リットル
武装武装なし
乗員数/機体初飛行2名 / 1978年1月17日(KM−2B生産前機1号機)
備考(各タイプ詳細) LM-2:陸上自衛隊向けの連絡機。ライカミングIGSO-480エンジン搭載
KM-2:海上自衛隊向けの練習機。並列複座操縦席配置
TL-1:陸上自衛隊向けの練習/連絡機。装備はKM−2に準ずる
KM-2B:縦列複操縦席配置に変更したKM−2。主に民間向け
T-3:KM−2Bの航空自衛隊での呼称
LAST UPDATE 2001,04,22