マクダネル・ダグラス KC−10Aエクステンダー

KC-10 EXTENDER ,McDonnell Douglas(ex Boeing)

KC-10
工場をロールアウトしたばかりのKC−10A

 1970年代初期にアメリカ空軍はATCA(次期空中給油/貨物輸送機)を選定することを計画した。これは 当時KC−135給油機だけで賄っ ていた空中給油の需要が増大してきたのが主な理由であったが、他にも海外展開している米軍機の着陸施設減少な どの要因もあった。
 この計画により1977年に選定されたのがマクダネル・ダグラス社の旅客貨物機DC−10−30CFを軍用型 に転用したものであり、空中給油だけでなく海外展開に際して支援器材や人員輸送のため約77tの貨物パレット も搭載できるようになっている(よくある思い違いに『空中給油機は胴体内全部が燃料タンクである』というもの があるが、輸送機改造の空中給油機は胴体全部を燃料タンクにすると重くて離陸できなくなるため、通常胴体下部 や貨物室内部に作りつけのタンクを持っているだけである)。
 空中給油方式は米空軍のフライングブーム方式の他にホースドローグ方式も併設されているため、米海軍をはじ め同様の空中給油装備を施している同盟軍機にも給油が可能となっている。大型の給油ポンプを搭載しているため 小型戦闘機から大型輸送機まで幅広く対応でき、給油スピードは最大5,700リットル/分である(ただし、こ の最大スピードで給油が行える相手は C−5ギャラクシーなどの大型機に限 られる。小型機相手では燃料の圧力で吹き飛ばしてしまう恐れがある)。
 1981年から配備が始まった当機は最終的に60機が生産され現在も米空軍に使用されているが、他にマーチ ンエア社が保有していたDC−10を改造したKDC−10Aが2機オランダ空軍によって購入された。

機体詳細データ(KC−10A)
寸法(L×W×H/翼面積)55.35×50.39×17.70m / 367.70m2
機体重量(自重/全備)109,300kg / 268,000kg
飛行速度(最大/巡航)M0.88(約1,077km/h) / 926km/h
上昇率(海面上)不明
上昇限度(実用/限界)12,800m
離着陸距離(離陸/着陸)3,050m / 不明
航続距離18,500km(最大無給油)、7,000km(貨物搭載時)
エンジンジェネラルエレクトリック社製 CF6−50C2ターボファン×3基
推力 23,800kg×3  機体内燃料搭載量 158,000kg
武装武装なし。貨物機形態時には76,800kgの貨物を搭載可能
乗員数/機体初飛行3〜11名 / 1980年7月12日(生産1号機)
備考(各タイプ詳細) DC-10:マクダネル・ダグラス(現ボーイング)社製の旅客輸送機。当機のベースとなった
KC-10A:生産型の呼称(60機製作)
KDC-10A:オランダ空軍向けのDC−10改造型機体(2機製作)
LAST UPDATE 2000,12,24