BAe ジェットストリーム31

Jetstream31 , British Aerospace

Jetstream
英国海軍のジェットストリームT.Mk3

 郊外と大都市圏を繋ぐコミューター航空機の開発は1960年代から活発になってきた。各社は競って 短距離路線用の小型旅客機の開発を行ったが、特に成功した機体のひとつにBAe社のジェットストリー ムが挙げられる。
 元はハンドリ・ページ社のHP137として開発が始まったこの機体はジェットストリームの愛称を得 て1968年に初飛行した。このときにはフランス製のアスタズーエンジンを搭載していたが、米空軍が 行った支援作戦用双発機の公募に参加するためギャレット・エアリサーチ社製のエンジンに換装したモデ ルが製作された。しかし、この米空軍向け機体は納期の遅れからキャンセルされてしまい、米軍からの受 注をあてにしていたハンドリ・ページ社は破産に瀕することになってしまったのである。
 米国民間市場向けのジェットストリームの空輸を請け負っていたテラビア・トレーディング・サービス 社は破産管財人からジェットストリームの製造工場や部品いっさいを買い取り、ジェットストリーム20 0の名称で米国向けモデル原型を開発、この機体は英国空軍の目にとまり英国のスコティッシュ・エビエ ーション社(ハンドリ・ページ社の下請け会社)がこの機体製造権を買い取って英空軍向けモデルの生産 が行われた。
 英空軍向けモデルの納入が終わった直後にスコティッシュ・エビエーション社はBAe社の傘下へ吸収 されてしまったが、BAe社スコティッシュ部門としてジェットストリームの製造を継続、これが現在生 産されているモデルであるジェットストリーム31となったのである。
 コミューター機という性格上主に民間市場へのセールスが中心であるが、軍用としても連絡機や患者輸 送機、各種訓練機、沿岸監視機など幅広い需要があり各国軍への輸出も好調である。お膝元である英軍で は練習機として空軍・海軍が使用しているが、変わった変形としてはサウジアラビア軍が導入している航 法練習機がある。このサウジ向け機体は トーネードIDS航 法士の練習用として使用されるため、客室内にトーネードIDS後部座席とほとんど同じ電子装備が搭載 されている。

機体詳細データ(ジェットストリーム31)
寸法(L×W×H/翼面積)14.65×15.85×5.33m / 25.08m2
機体重量(自重/全備)4,360kg / 6,950kg
飛行速度(最大/巡航)491km/h / 426km/h
上昇率(海面上)不明
上昇限度(実用)7,620m
離着陸距離(離陸/着陸)1,570m / 1,220m
航続距離1,260km
エンジンギャレット・エアリサーチ社製 TPE331-10UFターボプロップ×2基
出力 840馬力×2
武装武装なし
乗員数/機体初飛行2名+乗客19名 / 1967年8月15日(HP137)、1980年3月28日(J31原型)
備考(各タイプ詳細) HP137:ハンドリ・ページ社におけるモデル名称。愛称はジェットストリーム
JET-STREAM 200:米国向けにギャレット・エアリサーチ社製エンジンを搭載した原型の呼称
JET-STREAM 201:スコティッシュ・エビエーション社製の英空軍向けモデル社内呼称
JET-STREAM 31:BAe社製の民間向け生産型モデル名称。J31と略される場合もある
JET-STREAM 31EZ:沿岸監視向け軍用モデル。全周捜索レーダー搭載
JET-STREAM T.Mk1:英空軍向けモデル。アスタズーXVIエンジン搭載
JET-STREAM T.Mk2:英海軍が英空軍から譲り受けたT.Mk1の呼称
JET-STREAM T.Mk3:英海軍向け練習監視機型。全周レーダー等を装備
JET-STREAM SUPER31:胴体を延長した民間型。TPF331-12エンジン(1,020hp)搭載
LAST UPDATE 2002,12,06