イリューシン Il−76”キャンディッド”

Il-76 "CANDID" ,Ilyushin

Il-76M
アエロフロート航空所属のIl−76M(塗装は旧ソビエト時代のもの)

 イリューシンOKB(設計局)の一大プロジェクトとして1965年に開始された開発計画により生み 出された大型輸送機。それまでソビエト軍が使用していた重輸送機 An−12に代わるものと して設計された。
 原型機が初飛行した1971年のパリ航空ショーにて初公開された当機は、当時米軍で配備され始めた C−141輸送機の影響を 受けたスタイルをしており、C−141に比べて強力なエンジンの採用などで離陸滑走距離は短くなって いるものの、胴体直径が若干小さいため搭載能力は劣っている。主翼の後退角は通常のジェット輸送機よ りも小さいが、これは巡航時の速度よりも離着陸時のSTOL性を重視したためである。
 旧ソビエト空軍以外にもアエロフロート航空をはじめとした旧共産圏や親ソビエト国の民間航空会社に も大量に採用されており、各国の第一線で活躍している。最近、胴体の延長とエンジン出力増強によりペ イロードを向上させたMF型も完成しており、現在も年10機のペースで生産が続いている。
 なお、当機の発展型として空中給油機 Il−78"マイダス"、 早期警戒機A−50"メインステイ" などがあるが、これらの機体については別項を設けることにする。

機体詳細データ(Il−76MD)
寸法(L×W×H/翼面積)46.59×50.50×14.76m / 300.00m2
機体重量(自重/全備)89,000kg / 190,000kg
飛行速度(最大/巡航)850km/h / 750〜780km/h
上昇率(海面上)不明
上昇限度(実用/限界)不明
離着陸距離(離陸/着陸)1,700m / 1,000m
航続距離7,300km(貨物20t搭載)、3,800km(最大搭載時)
エンジンソロビヨフ設計局(現アビアドビゲーテル)製 D−30KPターボファン×4基
推力 12,000kg×4 機体内燃料搭載量109,480リットル
武装武装なし(軍用のM型などには23mm機関砲×2の尾部銃座付きタイプ有り)
乗員数/機体初飛行乗員6名+兵員140名 / 1971年3月25日(原型機)
備考(各タイプ詳細) Il-76:原型機および最初の民間向け機体名称
Il-76M:軍用輸送機型の初期生産タイプ
Il-76T:燃料搭載量を増加させた民間向けタイプ
Il-76MD:エンジン出力を強化した軍用向けタイプ。空中給油受け管を装備可能
Il-76TD:MD型に準ずる民間向けタイプ。空中給油関係の装備は搭載せず
Il-76MF:胴体延長とエンジン出力強化を行った軍用向けタイプ
Il-76TF:MF型に準ずる民間向けタイプ。現在は計画のみ
Il-76MDP:消火用水タンクを搭載した消防用機
Il-76SK:ミサイルや航空機を監視するレーダーピケット機
Il-82:空中コマンドポスト(指揮司令部)機
Il-78:空中給油母機として改装された機体。別項参照
A-50:早期警戒機として改装された機体。別項参照
LAST UPDATE 2000,11,23