ホーカー・シドリ HS748アンドーバー

HS748 ANDOVER , Hawker Siddeley

HS748
英国空軍所属のアンドーバーC.Mk1

 英国が1957年の防衛白書で発表した『今後英空軍において有人防空機の開発は行わず、将来の長期防衛 は誘導ミサイル中心』という宣言は英国航空機業界に大きな波紋を呼び起こした(結局有人機の開発はその後 も続けられることになったが)。この宣言を受けて、第二次大戦以来英空軍へ数々の機体を納入していたA・ V・ロー社(略してアブロ社)も民間市場への再参入を図ることにしたのである。
 アブロ社が民間市場参入のため計画した機体はターボプロップ装備の短・中距離支線用航空機で、アブロ7 48の名で航空会社各社に提案されたが、各社とももっと大型の機体を望んでいたため出力の大きなRR社ダ ートエンジンを搭載することにして再度設計をやり直すことになり、1960年に完成した機体は航空各社の 評判も良く、1961年から各国へ販売されている。
 未整備の飛行場などから運用できる貨物機を欲していた英国空軍もこの機体に着目し、1961年から運用 試験を開始、良好な成果を上げたため当機をアンドーバーC.Mk1の名で採用した。この軍用貨物機型は民 間型に比べて貨物室床が強化されており、また大型の後部ドアが装備された他、車両搭載に際して降着装置の 伸縮が可能なように改良されている。貨物型C.Mk1は1975年に全機退役しているが、検定任務用に改 修された機体はその後も使用された。また、VIP用輸送機としてCC.Mk2も発注され、英国王室をはじ め政府要人や軍幹部の輸送に使用されている。
 英軍以外の軍用顧客としては、要人輸送型8機+航法練習機8機を受け取ったオーストラリア空軍と、連絡 業務用として6機を調達したブラジル空軍がある。また、インド空軍はHAL社でライセンス生産された機体 (これは民間型と大差無い)を70機以上調達し輸送機として使用している。
 なお、アブロ社は後にホーカー・シドリ社に吸収されており軍用型の納入もホーカー・シドリ社が実施して いるため、当サイトでは当機をホーカー・シドリ社製とした(余談ではあるがその後ホーカー・シドリ社はB Ae社に引き継がれ、当機民間型もBAe社が継続して製造販売を行っている)。

機体詳細データ(民間型HS748シリーズ2A)
寸法(L×W×H/翼面積)20.42×30.02×7.57m / 75.35m2
機体重量(自重/全備)12,200kg / 21,100kg
飛行速度(最大/巡航)452km/h(最大巡航速度)
上昇率(海面上)433m/min
上昇限度(実用)7,600m
離着陸距離(離陸/着陸)1,200m / 不明
航続距離1,400km(最大荷重)、3,100km(空輸時)
エンジンロールスロイス社製 ダートRDa7Mk535−2ターボプロップ×2基
出力 2,280hp×2
武装武装なし
乗員数/機体初飛行乗員2〜3+乗客最大58名 / 1960年6月24日
備考(各タイプ詳細) Avro748:民間向け機体(原型含む)の呼称
HS748:ホーカー・シドリ社(その後BAe社)に吸収された後の機体呼称
HS748 MF:軍用貨物機形態の原型機。大きな後部貨物ドアと補強した床を持つ
ANDOVER C.Mk1:英空軍用戦術貨物輸送機。RDa12-201Cエンジン(3,250hp)搭載
ANDOVER CC.Mk2:英空軍用輸送機。主にVIP輸送任務に使用
ANDOVER E.Mk3:飛行検定任務用に改修したC.Mk1の呼称
ANDOVER R.Mk4:写真偵察用に改修したC.Mk1の呼称
COAST GARTER:捜索レーダー、救命艇などを装備したBAe社提案の捜索救難型
LAST UPDATE 2001,05,05