エンブラエル EMB−312トゥカノ

EMB-312 TUCANO , EMBRAER

EMB-312
ブラジル空軍所属のEMB−312H(AT−29)

 エンブラエルの略称で知られるブラジル航空機製造株式会社が開発した基本練習機。ブラジル空軍の要求に より1978年から開発が始まった当機は1980年8月に初飛行を実施、同年10月にT−27トゥ カノ(鳥の名前)としてブラジル空軍に制式採用された。
 軽金属構造・片持ち単葉翼、縦列複座操縦席を覆った大型の一体成形キャノピーという現代軍用基本練 習機としてオーソドックスなスタイルをした機体であるが、その扱いやすさと性能の高さからブラジルだ けでなくマジステールの後継として フランス空軍も採用、エジプト空軍、イラク空軍、ベネズエラ、アルゼンチン、ペルーなどにも採用され た。また、英国ショート社は当機のライセンス生産を行っており、ショート社で生産された機体も ジェット・プロボストの後継機とし て採用を決定した英国空軍をはじめ、他にもクウェート、ケニアなどへ納入されている。
 ブラジル航空業界最初のベストセラー機となった当機は機体の改良も着実に実施され、1991年には エンジン出力を高めたH型(愛称はスーパートゥカノ)が開発されている。この強化型機体は武装を施し て軽攻撃機としても使用可能で、ブラジル空軍ではAT−29の名前を付け採用を行った。またこの機体 を元に単座化し軽攻撃任務に特化した機体もA−29の名前で採用している。
 米陸海軍共同の基本練習機選定計画ではH型をさらに強化した機体をノースロップ社と共同提案したが この機体はピラタス・PC−9に破れて しまった。

機体詳細データ(EMB−312H)
寸法(L×W×H/翼面積)11.42×11.14×3.90m / 19.33m2
機体重量(自重/全備)2,420kg / 3,190kg
飛行速度(最大/巡航)557km/h / 530km/h
上昇率(海面上)895m/min
上昇限度(実用)10,670m
離着陸距離(離陸/着陸)550m / 860m
航続距離1,568km(30分の余裕燃料残)
エンジンプラット&ホイットニーカナダ社製 PT6A−68Aターボプロップ×1基
出力 1,300hp×1  機体内燃料搭載量 694リットル
武装翼下に機銃ポッド×2、113kg通常爆弾×4、無誘導ロケット弾×14など装備可能
乗員数/機体初飛行2名 / 1980年8月16日
備考(各タイプ詳細) EMB-312:当機の社内呼称。複座練習機
T-27:ブラジル空軍でのEMB−312の名称
EMB-312H:高出力エンジンに換装した改良型。複座練習/軽攻撃機
AT-29:ブラジル空軍でのH型の名称
A29:AT−29の機体を元に単座型とした攻撃専用機
LAST UPDATE 2001,04,14