デ・ハビランド デヴォン/ヘロン

Devon / Heron , de Havilland

Sea Devon C.Mk20
英国海軍のシー・デヴォンC.Mk20

 第二次大戦中の1943年に英国ブラバゾン卿(英国航空大臣兼運輸大臣(当時):John Theodore Cuthbert Moore-Brabazon, 1st Baron Brabazon of Tara)は、 戦争終結後の平時に大型旅客機市場で必要とされる航空機の研究・提言のための委員会を設立した。 委員会では海外航路用の長距離大型機から支線航路用の短距離機までの4タイプ(後に5タイプに 増えた)のレポートを発表、英国内の航空機メーカーはこのレポートに基づいて、民間輸送用の機 体開発を行った(1944年に軍需省が各タイプの航空機仕様書を発行したため、正規の開発契約 であった)。
 デ・ハビランド社も幾つかの機体を開発したが、そのうち支線路線用(仕様書26/43)とし て開発されたのがDH104のナンバーを持つ機体で、原型機は終戦直後の45年9月25日(偶 然にもデ・ハビランド社創立25周年記念日であった)に初飛行し『ダブ』(Dove:鳩の意)の愛 称が与えられた。8〜11席の客席を持つ初期生産型は英国内よりも海外の航空会社へ売れたが、 その後に発売された6席のVIP輸送機は国内外の企業経営者に対して好感触を得て、ビジネス機 市場の一角を占めるに至った。また仕様書C13/46に適合する軍用連絡通信機としてのモデル も開発され、英空軍および英海軍に採用が行われた。この軍用型は『デヴォン』(Devon:地名)と 名付けられた。
 デ・ハビランド社は『ダブ』の成功を受け、より大型の4発機市場(DH86 の後継機)に対応した改良型を開発することにし、1950年5月に機体を拡大した4発機DH11 4(後に『ヘロン』(Heron:鷺の意)の愛称を与えられた)原型の初飛行に成功した。4発機型も 国内外の航空会社に対してセールスに成功したが、軍用型としても英空軍女王飛行小隊[Queen's Flight]の VIP輸送機や英海軍の連絡輸送機として採用が行われている。

機体詳細データ(民間型『ダブ』5、【 】内は民間型『ヘロン』2Dの数値)
寸法(L×W×H/翼面積)11.96×17.37×4.06m / 31.10m2
【14.79×21.80×4.75 / 46.40m2
機体重量(自重/全備)2,600kg / 4,000kg【3,705kg / 6,136kg】
飛行速度(最大)325km/h(高度2,400m)【295km/h】 
上昇率(海面上)280m/min【347m/min】
上昇限度(実用)6,100m【5,600m】
離着陸距離(離陸/着陸)不明
航続距離1,720km【1,480km】
エンジンデ・ハビランド「ジプシー・クイーン」70Mk.2レシプロエンジン×2基 出力380hp×2
【デ・ハビランド「ジプシー・クイーン」30Mk.2レシプロエンジン×4基 出力250hp×4】
武装なし(8席の客席)【なし(14席の客席)】
乗員数/機体初飛行2名+8〜11名 / 1945年9月25日(『ダブ』原型)
【2名+14〜17名 / 1950年5月10日(『ヘロン』原型)】
備考(英軍用タイプ詳細) Devon C.Mk 1:最初の英空軍向け双発モデル(30機)
Devon C.Mk 2:C.Mk 1のエンジンを変更したモデル(9機)
Sea Devon C.Mk 20:英海軍向け双発モデル。民間型を改修(13機)
Heron C.Mk 3:英空軍向け4発モデル。VIP輸送用。Queen's Flight所属(2機)
Heron C.Mk 4:C.Mk 3と同様のVIP輸送用。Queen's Flight所属(1機)
Sea Heron C.Mk 20:英海軍向け4発モデル。民間型を改修(5機)
LAST UPDATE 2010,10,03