デ・ハビランド コメット

Commet , de Havilland

Commet
英空軍航空支援司令部(RAFTC)所属のコメットC.Mk2

 英国が開発した史上初のジェット旅客機。この機体によって民間ジェット路線が幕開けられたといっても 過言ではない。
 英国では大戦中の1941年から戦後を見越した民間輸送機の研究を開始しており、戦後の市場競争でう ち勝つためには大幅な技術躍進が必要であると結論づけられていた。そこで1945年になってデ・ハビラ ンド社はジェットエンジンを搭載する貨物旅客機の開発案を呈示、提案に従って英国供給省(軍需省)は 原型機2機を1946年に発注、また民間航空会社のBOAC社も8機(後に9機に増)を発注した。翌年 7月に完成した原型機の初飛行も成功し、同年12月にはコメットと愛称が付けられた当機体は、それまで 空想好きの人々が想像していたほど革新的な機体ではなかったが、構造や推進装置、空気力学的設計、操縦 システムなど新境地を開拓した機体であった。
 しかし成層圏を飛行する機体の完全与圧という民間輸送機としては未知の領域へ挑戦した当機は、195 0年代前半に複数の空中分解事故という悲劇をおこし、一時は全機が飛行停止になるという事もあった。し かし胴体部構造の改良(改良後の識別点は客席側面窓の形状。改良前は四角形だったものが楕円形になった) により安全性を増した機体はその後も就役を続け、1980年まで各国の路線で飛行を続けたのである。
 軍用としては十数機の機体が英空軍とカナダ空軍に採用されており、輸送任務などに従事した。また最終 生産型をベースにした早期警戒機ニムロッドは現在も英空軍で就役中である。

機体詳細データ(民間型コメット4B)
寸法(L×W×H/翼面積)35.97×32.87×8.69m / 191.28m2
機体重量(自重/全備)33,483kg / 73,483kg(後期型)
飛行速度(最大巡航)856km/h
上昇率(海面上)不明
上昇限度(実用)11,000m+
離着陸距離(離陸/着陸)2,134m / 不明
航続距離5,391km(最大有償荷重時:後期型)
エンジンロールスロイス社製エーボン525Bターボファンエンジン×4基
推力 4,763kg×4(後期型)
武装武装なし
乗員数/機体初飛行3〜4名+乗客101名(初期型) / 1949年7月27日
備考(各タイプ詳細) DH106:ゴーストエンジンを搭載した原型機の社内呼称
COMMET 1:最初の生産型。民間(BOAC社)向け機体
COMMET 1A:1型に水・エタノール噴射装置を追加した機体。民間およびカナダ空軍が使用
COMMET 1XB:カナダ空軍保有の1A型を改良した機体の呼称
COMMET 2X:RR社製エーボン501エンジンの実験用機体
COMMET 2:胴体を延長しエーボン503エンジンを搭載した民間向け機体。試作のみ
COMMET 2E:2型を改修した航路援助設備試験機
COMMET 2(RAF):英空軍に引き取られた2型。後に電子情報収集機コメット2Eに改造された
COMMET C.Mk2:英空軍に納入された輸送用機体。元は民間向けに製造されていたものを転用
COMMET T.Mk2:英空軍に納入された操縦練習用機体
COMMET 3:さらに胴体を延長、エーボン522エンジンを搭載した原型機
COMMET 3B:4B型の原型となるよう改造された3型機体の呼称
COMMET 4:BOAC社向け機体。搭載燃料増加、エーボン524エンジン搭載
COMMET 4A:キャピタル航空向け機体。短距離路線用。納入されず
COMMET 4B:エーボン525Bエンジン搭載の短距離路線用。主翼を切りつめた民間向け機体
COMMET 4C:最期の生産型。長胴と大型主翼を装備。1機はニムロッドの原型となった
LAST UPDATE 2002,12,01