米空軍のRDF(Rapid Deployment Force:緊急展開軍)構想から生まれた新しい形の輸送機。米本土
から世界各地の前線へ直接物資を輸送するという思想の元で設計された従来の戦略輸送機と戦術輸送機の統
合版といえる。
1980年に装備方針が定まったこの計画では、ボーイング、ロッキード、マクダネル・ダグラスの3社が
応じ、翌年にマクダネル・ダグラス社の案が採用されC−17という名称が付けられた。1982年に研究開
発契約が締結され、85年に全規模開発契約となったがRDF構想に基づき「前線の狭い滑走路にでも離
着陸が可能で、かつ米本土から2,400浬以上の航続力を持ち、主力戦車を搭載するため60t以上のペイ
ロードを持つ」という難しい要求のため設計は難航し原型機の製作に着手したのは1987年のことであ
った。しかも組立中に重量過多であることが判明したため製作自体も遅れ原型機が初飛行したのは計画より
1年遅れの1991年9月のことであった。
コクピット周りや各種システム装置、貨物搭載装備などは近代化されているため、操縦士2名と貨物要員
1名での運行が可能となり省力化が図られている。米空軍へは1993年から部隊配備が開始され最終的に
180機を調達予定である。また、英空軍が輸送機不足を解消するため4機のリース契約を希望している
(英空軍に対してボーイング社ではロールスロイス社製RB211エンジン搭載型の提案をおこなってもい
る)。
| 機体詳細データ(C−17) |
| 寸法(L×W×H/翼面積) | 53.04×51.76×16.79m / 353.0m2 |
| 機体重量(自重/全備) | 126,100kg / 265,350kg |
| 飛行速度(最大/巡航) | 最大巡航M0.77 / 経済巡航900km/h(高々度)、650km/h(低高度) |
| 上昇率(海面上) | 不明 |
| 上昇限度(実用) | 13,715m |
| 離着陸距離(離陸/着陸) | 2,360m / 915m |
| 航続距離 | 9,430km(空輸時)、4,630km(貨物72,570kg搭載) |
| エンジン | プラット&ホイットニー社製 F117−PW−100ターボファン×4基 推力 18,460kg×4 機体内燃料搭載量102,610リットル |
| 武装 | 武装なし。貨物最大搭載量76,655kg |
| 乗員数/機体初飛行 | 3名+兵員144名 / 1991年9月15日(原型機) |
| 備考(各タイプ詳細) |
C-17:原型機を含む生産型
MD-17:民間向けモデルの提案型。現在のところ受注無し |