コンベア C−131/R4Yサマリタン

C-131/R4Y SAMARITAN , Convair

C-131B
米空軍所属のC−131B輸送機

 第二次大戦終結直前の1945年初頭、米国アメリカン航空社は戦後の民間航空輸送市場の 拡大を見込んで、同社が使用していたダグラスDC−3の 後継機開発の仕様書を発行した。これを受けてコンソリデーテッド・ヴァルティ社(後にコン ベア社と改称)では、非与圧の客室に座席30席を設けた全金属製双発単葉輸送機原型の開発 に着手することになった。
 コンベア110と名付けられた原型機は1946年7月8日に初飛行したが、この時までに 行った市場調査により航空市場はもっと大型の機体を求めていることが判っていたため、コン ベア110の設計を元に、与圧された40席客室を持つ改良型の開発作業がすでに開始されて いた。コンベア240(2基のエンジンに40席の客席を持つことから付けられた名称)と名 付けられた改良型はアメリカン航空から100機の事前発注を受け、47年3月16日に1号 機が初飛行を行っている。
 同じ1947年に米陸軍から独立した空軍もコンベア240の軍用型を導入しており、主に 航空士(航法士)や爆撃手の訓練用や非与圧荷室の輸送機としてT−29の名称で、また与圧 された客室を持つ患者輸送機や要人輸送機としてC−131の名称で配備を行った。
 1950年代になってコンベア240の販売が振るわなくなってくると、コンベア社は胴体を延長 して客席を4席増やし、与圧装置やエンジンの改良、搭載燃料の増加を行った新モデルコンベ ア340を完成させた。T−29Aの機体を改修したコンベア340原型は51年10月5日 に初飛行し、その後世界中の航空会社に販売が行われている。もちろんコンベア340の軍用 型も米空軍や海軍に納入されているが、空軍の機体はC−131の名称を引き続き使用してい る。
 1954年、コンベア社はヴィッカース社のバイカウント旅客機に対抗すべく、コンベア3 40の改良型であるコンベア440の開発に着手、翌55年にコンベア340を改造した試験 機が完成した。客室の拡大は無かったが胴体両側面に窓を一つずつ追加することで座席を増や して52席とすること(オプション選択)が可能で、また機首気象レーダーの装備や空力的に 洗練されたエンジンナセルなどが施された機体であった。このコンベア440の軍用型もC− 131、R4Yの名称を引き続いて使用している。

機体詳細データ(C−131D)
寸法(L×W×H/翼面積)24.13×32.10×8.58m / 85.46m2
機体重量(自重/全備)14,197kg / 23,770kg
飛行速度(最大/巡航)480km/h / 540km/h
上昇率(海面上)384m/min
上昇限度(実用)7,590m
離着陸距離(離陸/着陸)不明
航続距離2,090km
エンジンプラット&ホイットニー社製 R-2800-103Wレシプロエンジン×2基(2,500hp×2)
武装武装なし
乗員数/機体初飛行2〜3名+客席44 / 1946年7月8日(コンベア110原型)
備考(各タイプ詳細) XT-29:コンベア240を元とする軍用型原型。R-2800-SG13G(2,100hp)搭載(2機)
T-29A:最初の生産型。非与圧客室(14名搭乗)を持つ航法練習機型。(46機)
VT-29A:T-29Aを改造した人員輸送機型。同様にVT-29B〜Dもある
T-29B:与圧客室(10名搭乗)を持つ航法/無線練習機型(105機)
T-29C:T-29BのエンジンをR-2800-29W(2,500hp)に換装したモデルの呼称(119機新造)
AT-29C:T-29Cを改造した航路確認試験機。後にEC-29Cと改称。同様にAT-29Dもある
T-29D:T-29Cに準ずる爆撃手練習機型(6名搭乗)(93機(92機説有))
XT-29E:T-29Bのターボプロップ化モデル。製作されず
C-131A:コンベア240を元とする米空軍向人員輸送機型。客席37(26機)
MC-131A:C-131Aの患者輸送機型。担架27搭載可能
HC-131A:米沿岸警備隊に移管したC-131Aの呼称
C-131B:コンベア340を元とする米空軍向人員輸送機型。客席48(33機)
JC-131B:ミサイル追跡装置を搭載したミサイル実験支援機。C-131Bを改造(6機改造)
NC-131B:各種の試験飛行に使用されたC-131B改造機の呼称
VC-131B:C-131Bを改造した要人輸送機型。同様にVC-131D、F、Gもある
YC-131C:コンベア340のエンジンをアリソン501D-13ターボプロップエンジンに換装した試験機
C-131D:コンベア340/440を元とする米空軍向人員輸送機型。客席44(33機)
C-131E:C-131Dを改造した電子戦訓練機。後にTC-131Eと改称
C-131H:エンジンをターボプロップ化した各種モデル。非公式なモデル名はコンベア580
NC-131H:総合飛行特性実験機。延長した機首部に操縦座席を追加した改造機
R4Y-1:C-131Dに準ずる米海軍向人員輸送機型。後にC-131Fと改称(36機)
R4Y-1Z:R4Y-1を改造した要人輸送機型。後にVC-131Fと改称
R4Y-2:米海軍に移管したC-131Eの呼称。後にC-131Gと改称
R4Y-2Q:電子戦(対レーダー妨害)用のR4Y-2の呼称。製作されず
R4Y-2S:対潜訓練機型の呼称。製作されず
LAST UPDATE 2010,10,23