アントノフ An−124ルスラン

An-124 RUSLAN ("CONDOR") , Antonov

An-124
旧ソビエト時代の記章をつけたアエロフロート航空所属のAn−124

 旧ソビエトは米国に比べ超大型輸送機の開発に出遅れていた。これは大きなペイロードをささえて飛行するために 必要な高バイパス比・大出力のジェットエンジン開発に手間取っていたためである。そのため大きな重量物やかさば る貨物を運搬するにはターボプロップ機である An−22"アンティス"に頼らなけれ ばならない時代が長く続いた。
 しかし1970年代末になってようやく大出力を発揮できるエンジンの実用化に成功、さっそくこのエンジンを利 用した超大型輸送機の開発がスタートした。設計を任されたアントノフ設計局では米国の C−5ギャラクシーに似たスタイルを持 つ機体を製作しているが後発なだけに単純なコピーでは無く、独特の降着装置や複合素材・FBWなどの最新技術を 盛り込んだものとなっている。
 米国の軍用輸送機ではパレットシステムの採用により貨物の積降しは非常に簡単になっているが、旧ソビエトでは そのようなシステムが無かったため、貨物は貨物室天井に備えられた20トンクレーンや3トンウィンチを使って搭 載するようになっている。機首は上にはね上げる"フェンシングの面"タイプなので、中距離弾道ミサイルなどをそ のまま飲み込むことも可能となっている。機首部と後尾部には搬入ランプとなる傾斜台が備えられている(後部ラン プは貨物ドアを兼ねる)ため重戦車や車両などは自走して乗り込むことも可能である。
 1985年に171,219kgのペイロードを搭載して高度10,750mに到達したことは国際公認記録として認められており、 当機の搭載能力の高さを示しているが、貨物搭載量を犠牲にして燃料搭載量を優先することでが長大な航続距離を持 つことも可能となっている(当機は無給油周回20,151kmの国際公認記録も持っている)。
 現在ではロシア国内だけでなく英国の航空貨物輸送会社などにも当機がチャーターされており、他の飛行機では 運べない重量物を飲み込んで世界の空を飛び回っている。
 ちなみにNATOコードは「コンドル」と名付けられているが、アントノフ側が民間セールスを狙ってつけた愛称 「ルスラン」(旧ソビエトの文学家・音楽家の名前)のほうが現在では通りが良い。

機体詳細データ(An−124)
寸法(L×W×H/翼面積)69.1×73.3×20.78m / 628.0m2
機体重量(自重/全備)175,000kg / 405,000kg
飛行速度(最大/巡航)865km/h(最大巡航速度)、標準巡航速度800〜850km/h 
上昇率(海面上)不明
上昇限度(実用)10,000m
離着陸距離(離陸/着陸)2,520m / 900m
航続距離4,500km(最大ペイロード時)、15,700km(最大燃料時)
エンジンロタレフ設計局(現プログレス)D-18Tターボファン×4基
推力 23,400kg×4
武装武装なし(標準ペイロード150,000kg)
乗員数/機体初飛行6〜12名 / 1982年12月26日
備考(各タイプ詳細) An-124:生産前機を含む最初の生産型。軍民両方へ供給された
An-124-100:純民間向けモデル。最大ペイロードは120tに減少した
An-124-100M:アビオニクスを西側製とした西側諸国向けモデル
An-124-102:操縦席の省力化により3名の乗員で運用できるようにされた改良型
An-124-130:GE社製CF6-80エンジン(推力27,000kg)を搭載したモデル
An-124FFR:消防機モデル。200トンの水を投下することができる
LAST UPDATE 2003,03,10