アントノフ An−12”カブ”

An-12 "CUB" ,Antonov

An-12BP
バルカン・ブルガリア航空保有機のAn−12B(民間輸送機型)

 米国のC−130と同様の戦術輸 送機としてソビエトで製作された機体。旧共産圏諸国では標準的な貨物輸送機として使用されている。
 民間輸送機型も含めて約900機が製造されたが、最大の顧客はソビエト空軍で約600機を受 領している。軍用機タイプでは尾部に銃座を設けているが民間タイプでは撤去されている(アエロ フロート航空に就役している機体は有事の際には軍用として転用可能なよう銃座が残されている)。
 機体後部に貨物積み降ろし用のドアがあるがC−130のようにドアが積み降ろしランプのかわ りにはならない(飛行中の開閉は可能なため、空挺隊員の降下や物資の空中投下はできる)。
 生産は1973年に終了しているが現在でも民間・軍用とも多数機が活躍しており、世界各国を 飛び回っている。
 NATOコードは軍用・民間型とも"カブ"と名付けており、コード名にA/B/C/Dの英字 が添えられるのは輸送機型ではなく電子戦型である。
 なお中国では当機を元に独自の改良を加えた機体(Y−8:運輸8型)を生産しており、これら の機体は中国国内だけでなくアジア・アフリカ諸国にも輸出されている。

機体詳細データ(An−12BP)
寸法(L×W×H/翼面積)33.1×38.0×10.53m / 121.7m2
機体重量(自重/全備)28,000kg / 55,100〜61,000kg
飛行速度(最大/巡航)776km/h / 550km/h(高度7,620m)
上昇率(海面上)600m/min
上昇限度(実用)10,200m
離着陸距離(離陸/着陸)500m / 不明
航続距離1,300km(最大荷重)〜3,400km(荷重10,000kg時)
エンジンイフチェンコ設計局製 AI−20Kターボプロップ×4基
出力3,945hp×4。機体内燃料容量18,100リットル
武装武装なし(軍用輸送型は尾部に23mm機関砲×2)
乗員数/機体初飛行乗員6名+兵員90名(空挺兵60名) / 1958年
備考(各タイプ詳細) An-12 "CUB":民間非武装型の正式名称。尾部銃座が無い。改良型はAn-12Bと呼称
An-12BP:軍用侵攻輸送型。貨物室は与圧されない。NATOコードは非武装型同様"CUB"
An-12 "CUB A":ELINT(電子情報)偵察機型の初期モデル
An-12 "CUB B":ELINT偵察機型。腹部に張り出した小ドームが"CUB A"との相違点
An-12 "CUB C":ECM(電子妨害)機。腹部の大型アンテナや尾部レドームが特徴
An-12 "CUB D":"CUB C"同様のECM機。詳細は不明
【中国・陝西で製造された機体】
Y-8:中国で生産された機体の総称。運輸8型。An-12Bがベースとなっている
Y-8X:Y-8の対潜哨戒/洋上監視型。西側製の電子機器を搭載している
Y-8A:Y-8の軍用輸送機型。An-12BP同様の機体だが若干貨物室が拡大されている
Y-8B:Y-8の民間輸送機型。An-12B同様の非武装モデル
Y-8C:貨物室も与圧された軍民両用の輸送機型。現行生産モデル
Y-8D:Y-8Bの輸出モデル。アビオニクスを西側製機器に変更している
Y-8E:ドローン(無人標的機)母機。与圧客室内にコントロール機器を設置
Y-8F:動物輸送用として開発された機体。貨物室が与圧されている。通常貨物輸送にも使用可能
Y-8F-100:Y-8Fのエンジン換装型
Y-8F-200:Y-8Fの胴体延長モデル
Y-8H:航空測量機型。詳細は不明
LAST UPDATE 2003,05,10(FirstUp 2000,01,08)