ツポレフ Tu−95/142”ベア”

Tu-95/142 "BEAR" , Tupolev

Tu-95
旧ソビエト海軍航空隊所属のTu−95RTs”ベアD”

 1955年の航空記念日に赤の広場上空を編隊飛行したことで全世界にその存在が明らかにされた大型爆撃機。それ までのプロペラ機と異なり、後退角を持った主翼・尾翼を備え、二重反転プロペラを強力なターボプロップエンジンで 回転させる姿は西側世界に衝撃を与えた。
 冷戦時代にソビエトから米本土を直接爆撃するための長距離戦略爆撃機として開発されたのだが、当時手頃な低燃費 ジェットエンジンがなかったためターボプロップとされ、二重反転プロペラにより低速回転で高速力を得る方式を採用 した。最初の生産型である”ベアA”は通常爆弾を搭載するタイプであったが、空中発射対地ミサイルの完成により、 ”ベアB”以降はミサイル母機として使用されるのが主任務となっている。通常爆撃型、ミサイル母機型の他に海軍向 けの対潜哨戒型”ベアD”もあり、1965年に一度生産終了したものの1970年代当初に海洋哨戒機として改設計 されたTu−142”ベアF”シリーズとミサイル母機型の最終シリーズである”ベアH”が再生産され、1990年 代に生産終了するまでに総数約500機が生産された。また当機の設計を流用した旅客機型Tu−114(NATOコ ード名”クリート”)や空中管制機 Tu−126”モス”などの派生型も 存在する。
 現在もロシア空軍の”ベアH”と海軍航空隊の”ベアF”併せて100機以上が現役であり、まだ当分はロシア軍の 長距離哨戒・爆撃機として使用されることであろう。

機体詳細データ(Tu−95MS”ベアH”)
寸法(L×W×H/翼面積)49.09×50.04×12.96m / 288.9m2
機体重量(自重/全備)94,400kg / 185,000kg
飛行速度(最大/巡航)830km/h / 750km/h
上昇率(海面上)不明
上昇限度(実用)10,500〜12,500m
離着陸距離(離陸/着陸)不明
航続距離6,480〜10,300km(兵装搭載量により異なる)
エンジンクズネツォフ設計局(現トルート)製 NK−12MVターボプロップ×4基
出力 15,000hp×4
武装23mm機関砲×2、最大11,000kgの通常爆弾(ベアA)、AS−3対地ミサイル×1(ベアB/C)、AS−4対地ミサイル×2(ベアG)、AS−15巡航ミサイル×6〜16(ベアH)
乗員数/機体初飛行7名 / 1952年11月12日
備考(各タイプ詳細) 【"BEAR〜"はNATOによる分類(コード名)です】
Tu-95 "BEAR A":生産前機。通常爆撃機型
Tu-95M "BEAR A":通常爆撃機型の生産型
Tu-95K-20 "BEAR B":AS−3ミサイル搭載能力を付与したミサイル母機
Tu-95KD "BEAR C":”ベアB”に空中給油受け棒を追加したミサイル母機
Tu-95KM "BEAR C":KD型に偵察用装置を搭載した偵察機兼用型
Tu-95RTs "BEAR D":対潜哨戒、ミサイル中間誘導能力を持つ海軍型
Tu-95MR "BEAR E":兵装搭載能力を持たない戦術偵察機型
Tu-95K-22 "BEAR G":AS−4ミサイル搭載能力を付与したミサイル母機
Tu-95MS "BEAR H":空中発射巡航ミサイル搭載能力を付与したミサイル母機
Tu-142M "BEAR F":対潜探知装備と攻撃装備を搭載した対潜作戦型
Tu-142ME:”ベアF”の輸出型モデル。インドが8機導入
Tu-142MJ "BEAR J":潜水艦に対する戦略通信用設備を持つ型
LAST UPDATE 2001,01,07