BAC TSR2

TSR2 ,BAC

TSR-2
超音速飛行中のTSR2原型1号機

 1957年5月に出された英軍の統合作戦要求第339号により開発着手された超音速長距離攻撃機兼 偵察機。先進的な慣性航法装置や地形追従レーダー、低高度での超音速飛行、高々度ではマッハ2を超え る超高速を発揮し、できれば不整地滑走路から離着陸できる能力を持つ必要があるこの航空機に対して、 英国内の18社あまりの航空機製造メーカーが設計案を提出したが、1959年1月にイングリッシュ・ エレクトリック社とビッカース・アームストロング社に対して半々の役割で開発契約が与えられ(それ ぞれの会社の意向は無視された形となったが)、両社はBAC(ブリティッシュ・エアクラフト)社を新 たに設立し開発にあたることとなった。
 搭載するエンジンは当初のロールスロイス製という選択が覆され、ブリストル・シドリ社の開発したオ リンパスエンジンを搭載することになったが、これは超音速旅客機として有名なコンコルドに搭載される エンジンの先行型にあたる。アスペクト比の小さい主翼に強力な吹き出しフラップを装備し、機体内の大 半を燃料タンクとした当機は1964年9月に初飛行を行ったが、オリンパスエンジンの欠陥や降着装置 の動作不良、複雑すぎる航法装置など不安定要素が多かった。この不安要素に加え開発費用の高騰化、労 働党内閣による政治的圧力、比較的安価な F−111の購入計画(結 局、F−111の開発も遅れに遅れ、機体単価も高騰したため、最終的に英空軍は バッカニーアの導入を 決定した)などによりTSR2開発は頓挫してしまい、原型機数機が製造されただけで1968年に計画 は中止されてしまった。

機体詳細データ(TSR2)
寸法(L×W×H/翼面積)27.13×11.28×7.32m / 65.0m2
機体重量(自重/全備)20,300kg / 35,000kg
飛行速度(最大)M2.1(高空)、1,350km/h(低空)
上昇率(海面上)不明
上昇限度(実用/限界)不明
離着陸距離(離陸/着陸)不明
航続距離6,900km(空輸時)、戦闘行動半径1,900km(H−L−H)
エンジンブリストル・シドリ社製 オリンパスMk320ターボジェット×2基
推力 13,900kg(A/B)
武装胴体内爆弾倉に核爆弾×1または454kg通常爆弾×6、翼下にAS30対地ミサイル×4、2,700kgまでの通常爆弾等の兵装搭載可能
乗員数/機体初飛行2名 / 1964年9月27日(原型1号機)
備考(各タイプ詳細) TSR2:開発原型機の呼称(機体番号XR219〜227の9機製作)
LAST UPDATE 2001,01,14