ブラックバーン(BAe) バッカニーア

BUCCANEER ,Blackburn(ex BAe)

Buccaneer
英国空軍第208飛行隊所属のバッカニーアS.Mk2B

 1950年代になって旧ソビエト海軍の急速な拡大傾向に危惧を抱いた英国海軍では、それに対抗するための 新型艦上低空爆撃機兼攻撃機を開発することにした。このバッカニーアは1952年に英国海軍省から出された 要求条件NA39を受けてブラックバーン社が開発した機体である。
 空母へ離着艦する能力(低空低速飛行安定性)と低空高速飛行する能力という一見矛盾した要求を見事に盛り 込んだ機体は、開発当時発見されたばかりの面積法則(エリアルール)を用いた胴体設計と相まって、航空母艦 からの出撃が可能かつ低空を亜音速で飛行できるというすばらしいものであった。
 英国海軍においては海上攻撃機としてあまり活躍の場を得ることが出来なかったが、1960年代末になって 導入しなかったF−111戦闘攻撃機や 失敗作となった戦術攻撃機TSR2の 代替として英国空軍が(しぶしぶながら)導入した機体は海上攻撃・地上攻撃任務にその能力を発揮することに なったのである。1978年には英国海軍が保有していた最後の通常型空母「アークロイヤル」が退役したため 海軍所属機は全機が空軍へ移管された。老朽化による事故など避け得ない不幸もあったが、1983年のレバノ ン紛争などでその低空攻撃能力を遺憾なく発揮して有終の美を飾り、 現在ではトーネードIDSジャギュアなどにその座を譲っている。
 英国の他には南アフリカ空軍が当機を採用しており、その長大な航続距離を生かしアフリカ内陸部で幾多の作 戦行動に参加した。
 なお、ブラックバーン社は後にBAe社に吸収されたため、資料によってはBAeバッカニーアと記述されて いることがある。

機体詳細データ(バッカニーアS.Mk2B)
寸法(L×W×H/翼面積)19.33×13.41×4.95m / 47.82m2
機体重量(自重/全備)13,600kg / 28,000kg
飛行速度(最大)1,110km/h
上昇率(海面上)不明
上昇限度(実用/限界)不明
離着陸距離(離陸/着陸)1,040m / 960m
航続距離3,700km(増槽使用)、戦闘行動半径960km(H−L−H)
エンジンロールスロイス社製スペイRB168−1A Mk101ターボジェット×2基
推力 5,035kg×2  機体内燃料搭載量 7,090リットル
武装胴体下および翼下にサイドワインダーAAM×1、ペーブウェイレーザー誘導爆弾×2、マーテルTV誘導対地ミサイル×1、シーイーグル対艦ミサイル×4、AS−302対地ミサイル×4、ロケットポッド×4、454kg通常爆弾×4、増加燃料タンクなど最大7,300kgの兵装搭載可能
乗員数/機体初飛行2名 / 1958年4月30日
備考(各タイプ詳細) NA39:原型および生産前機。デハビラント・ジャイロンJrエンジン搭載(20機製作)
BUCCANEER DB:開発テスト用の生産前機(19機製作)
BUCCANEER S.Mk1:英国海軍向けの初期生産型。ジャイロンエンジン搭載(40機製作)
BUCCANEER S.Mk2:エンジンをRRスペイに変更した機体(2機DB型改修+84機製作)
BUCCANEER S.Mk2A:英国海軍から空軍へ移管されたS.Mk2の呼称
BUCCANEER S.Mk2B:マーテル対地ミサイル搭載装備を追加した英空軍用機体
BUCCANEER S.Mk2C:マーテル対地ミサイル搭載装備を持たない英海軍用機体
BUCCANEER S.Mk2D:マーテル対地ミサイル搭載装備を追加した英海軍用機体
BUCCANEER S.Mk50:南アフリカ向けの輸出用機体(16機製作)
LAST UPDATE 2000,12,17