コンベア B−36ピースメーカー

B-36 PEACE MAKER , Convair

B-36
米空軍第5戦略偵察航空団所属のRB−36H

 第二次大戦中に米国は対ドイツ戦の前進基地となりえる英国が失われたときのことを想定し、米国本 土から直接ドイツを爆撃できる大陸間爆撃機の要求書を発行した。当時は空中給油の技術が確立してい なかったため「4,500kgの爆弾を搭載して片道5,500kmの距離を無着陸で横断できる」能力が 必要とされたのである。
 コンソリデーテッド社(コンベア社の前身)が提案したモデル37は、同社の B−24に似た 2枚の垂直尾翼を持ち、6基の空冷エンジンを推進式に配置した珍しいスタイルをしていた。この提案 が米国陸軍に採用され、設計変更(垂直尾翼は1枚となった)や各部分の洗練を経た後に完成したのが それまでに製作された中で最大の爆撃機となった当機B−36である。第二次大戦の終結には間に合わ なかったが、終戦直後の1945年9月8日に工場から搬出された原型1号機は、それから飛行準備に 1年という長い期間をかけ翌年8月にようやく初飛行を行った。
 途方もなく大きな機体を飛ばすため強大なエンジンが必要であったが、設計を変更せずにレシプロエ ンジンのみ強化するのには限度があったため、補助推進機関としてJ47ジェットエンジンを搭載した B−36Dが製作されると、陸軍から独立したばかりの空軍(戦略空軍)の中核をなす機体として重宝 されたのである。
 しかし、1950年代になってジェットエンジンが発達してくるとレシプロエンジン搭載の当機では 速力不足や搭載能力への不満などがでてきたため、ジェット戦略爆撃機の選定が行われた。コンベア社 は当機をジェット化したYB−60を提案したが、 ボーイング社のB−52に 破れてしまい、当機も1950年代末には一部の偵察機改装型を除き現役から退いた。

機体詳細データ(B−36J)
寸法(L×W×H/翼面積)49.4×70.1×14.22m / 443.32m2
機体重量(自重/全備)77,600kg / 186,000kg
飛行速度(最大/巡航)661km/h / 629km/h
上昇率(海面上)不明
上昇限度(実用)12,200m
離着陸距離(離陸/着陸)不明
航続距離11,000km(爆弾4,500kg搭載時)
エンジンプラット&ホイットニー社製 R−4360−53ピストンエンジン×6基(各出力3,600hp)
および ジェネラルエレクトリック社製 J47−19ターボジェット×4基(各推力2,450kg)
武装機首・尾部・胴体各部の銃座に20mm機関砲×16、胴体内爆弾倉に最大21,000kgまでの爆弾・核兵器を搭載可能
乗員数/機体初飛行14名 / 1946年8月8日(XB−36)
備考(各タイプ詳細) XB-36:原型機。この機体のみ突出しない操縦席風防を持つ(1機)
YB-36:生産前機。後にYB−36Aへ改装された(1機)
YB-36A:YB−36を改装し4輪主脚をつけた後の機体呼称
B-36A:最初の完全武装型生産機。大半が後にRB−36Eへ改装(22機)
B-36B:引き込み式銃座を搭載した改良型。大半が後にB−36Dへ改装(77機)
B-36C:エンジンを牽引式配置に改めた機体。提案のみ
B-36D:補助推進機関としてJ47ジェットエンジンを搭載した機体(22機+改装64機)
RB-36D:偵察装備を搭載した偵察機型。(17機)
GRB-36D:FICON(戦闘機運送機)計画のため改装されたB−36D(10機改装)
RB-36E:A型などから改装された偵察機型の呼称
B-36F:改良型エンジンを搭載した改良型(34機)
RB-36F:燃料容量を増大させた改良型偵察機型(24機)
B-36H:搭載レーダーと内部システムを改良した改良型(83機)
NB-36H:核推進航空機実験のため原子炉を搭載したH型(1機改装)
RB-36H:偵察型の最終モデル。(73機)
DB-36H:GAM63敵防空範囲外攻撃爆弾搭載のため改装されたH型(3機改装)
B-36J:最終生産モデル。搭載燃料増大、降着装置強化などを実施(33機)
X-6:原子力エンジン搭載の提案モデル。実現されず
XC-99:当機を元にした輸送機型提案モデル(1機)
YB-60:全ジェット化した次世代型。旧呼称YB−36G。採用されず(2機)
LAST UPDATE 2001,01,17