ロッキード AC−130スペクター

AC-130 SPECTRE , Lockheed(ex Lockheed Martin)

AC-130A
米空軍所属のAC−130Aスペクター

 ベトナム戦争中、密林内に出没するゲリラ兵掃討に手を焼いた米軍は、輸送機を改造した地上掃射機(ガンシップ) の製作を実施した。 最初は第二次大戦で活躍した老朽輸送機C−47の 胴体左舷側に7.62ミリミニガン3基を搭載した機体をAC−47D(最初の呼称はFC−47)として採用、 ベトナムに展開した。その後ガンシップの有効性が確認されると、さらに大型の C−130A輸送機を改造したガンシップを投入する ことにした。
 1967年にライトパタースン空軍基地で開始された原型機改造作業は2ヶ月という短期間で終了し、同年9月21 日に実戦評価のため南ベトナムへ送られた。ベトナム到着からたった3日後には最初の戦闘作戦飛行を実施している。 その後AC−130シリーズはC−130Eの機体を使用したAC−130E、C−130Hの機体を使用したAC− 130Hと進化していき、H型に至っては105ミリ曲射砲まで搭載する『空飛ぶ砲兵』として活躍した。
 ガンシップ全体に言えることだが兵装は全て機体左舷に集中しており、作戦中は目標地域上空を左旋回で円を描きな がら飛行し、地上へ向けて砲撃のシャワーを浴びせる(特に7.62ミリミニガンや20ミリバルカン砲の射撃スピー ドは凄まじく、機内乗員は空薬莢をシャベルで機外へ捨てる作業を行わないとならないほどであった)ようになってい る。そのため操縦席には左舷下方を照準できる火器管制装置が搭載されている(なぜ左なのかと言うと、機長席が左側 にあるからである)。当機は長大な航続力と大きな搭載能力から長時間に渡る作戦行動が可能であり、ベトコンに追い つめられた米兵達にとって、ガンシップによる掩護射撃は非常に頼もしく『神の鉄槌』そのものであったと言えよう。
 1986年度予算からはAC−130Hの強化版AC−130Uの開発も始まっており、ロックウェル社の手により 攻撃力を強化された機体が現在も生産されている。

機体詳細データ(寸法・重量等はHC−130Hのもの)
寸法(L×W×H/翼面積)30.73×40.41×11.66m / 162.16m2
機体重量(自重/全備)32,936kg / 70,307kg
飛行速度(最大/巡航)602km/h / 555km/h
上昇率(海面上)579m/min
上昇限度(実用/限界)10,060m
離着陸距離(離陸/着陸)1,090m / 520m
航続距離3,792km
エンジンアリスン社製 T56−A−15ターボプロップ×4基
出力 4,508hp×4  機体内燃料搭載量 36,643リットル
武装(AC-130A) 20mmバルカン砲×4、7.62mmミニガン×4
(AC-130E) 40mm機関砲×2、20mmバルカン砲×2、7.62mmミニガン×2
(AC-130H) 105mm曲射砲×1、40mm機関砲×1、20mmバルカン砲×2、7.62mmミニガン×2
(AC-130U) 105mm曲射砲×1、40mm機関砲×1、25mmガトリング砲×1、ヘルファイア対地ミサイルの搭載も予定
乗員数/機体初飛行13名 / 1967年6月6日(AC−130A原型)
備考(各タイプ詳細) AC-130A:最初の地上掃射機モデル。後に兵装をE型準拠に改装
AC-130E:C−130Eを元にした地上掃射型。搭載弾薬量増加、電子装備の改良
AC-130H:C−130Hを元にした地上掃射型。E型も後にH型準拠に改装
AC-130U:現行生産モデル。H型の攻撃力強化版。電子装備も改良
LAST UPDATE 2001,04,08