ボーイング JSF/X−32

JSF/X-32 , Boeing

X-32
試験飛行中のX−32A原型機

 米空軍・海軍・海兵隊の3軍で使用する戦闘機を同じ基本設計でまかなおうとする野心的なJSF(Joint St rike Fighter:統合攻撃戦闘機)計画の試作機としてボーイング社が開発中の機体。JSF計画では空軍・海軍 が使用する通常機体の他に海兵隊が強襲母艦上から運用できるSTOVL(短距離離陸・垂直着陸)能力を持った 機体も計画されている。しかも機体価格は低く抑えることが前提となっているため、共通部分を増やし製造コスト を抑えるなどの工夫も必要となっている。
 JSFでは空戦にも対地攻撃にも使用できるような機体を求められているため、最大速度こそマッハ1.5程度 と欲張らないものの、ステルス性に配慮した機体形状や F−16を上回る運動性や行動半径を 持つようになっている。
 ボーイング社はプラット&ホイットニー社とロールスロイス社が共同開発しているF119発展型エンジンを搭 載する機体を提示しており、原型機X−32A(空軍・海軍仕様)は2000年9月に初飛行を行った。基本的に 搭載兵装は胴体内に収納されるが、ステルス性に配慮の必要がない場合は機外にも携行することができる。海兵隊 仕様のX−32BにはSTOVLを実現するためのリフトノズルが搭載されるので機内へ収納できる兵装量は減少 している。この垂直離着陸を実現するためのシステムはダイレクト・リフトと呼ばれ、通常飛行時には機体後方の テイルパイプから出される熱排気流を強制的にバイパスして機体中央部に収納されたリフトノズルから噴射するよ うになっている。なお1999年に実用型は後退角を持った主翼と水平尾翼を追加するよう設計変更されており、 実用型と原型機のスタイルは異なってくるであろう。
 今後はロッキード・マーチン社が提案する X−35と共に性能評価試験を実施し、 21世紀の米軍主力機体としての座を争うことになる。

機体詳細データ(実用型計画値)
寸法(L×W×H/翼面積)14.33×10.97×4.57m / 53.0m2
機体重量(自重/全備)9,980〜10,890kg / 22,680kg
飛行速度(最大)M1.6
上昇率(海面上)不明
上昇限度(実用/限界)不明
離着陸距離(離陸/着陸)不明(海兵隊型はSTOVLが可能)
航続距離戦闘行動半径1,100km以上
エンジンプラット&ホイットニー社製 F119ターボファン発展型×1
推力等 不明
武装27mm機関砲×1(空軍型のみ)、兵装搭載量5,900kg(海兵隊型)、7,700kg(空軍・海軍型)
乗員数/機体初飛行1名 / 2000年9月18日(X−32A)
備考(各タイプ詳細) X-32A:空軍・海軍仕様の原型機
X-32B:海兵隊(および英海軍)仕様の原型機。リフトファンを持つ
LAST UPDATE 2001,01,08