デ・ハビランド ベノム

VENOM ,de Havilland

Venom
英国空軍第125飛行隊所属のベノムNF.Mk3

 英国が第二次大戦直後に就役させたジェット戦闘機 バンパイアの後継機として 開発された戦闘機。原型機はバンパイアFB.Mk5の機体を流用して製作された。ベノム(毒蛇などの毒) と名付けられたこの戦闘機は中高度における運動性、上昇速度、上昇限度、安定性などに優れていた。
 1950年、フランスにおいて F−84と当機をNATOの標 準戦闘機として採用する計画が立てられ、英国・イタリア・フランスの工場で2,000機以上のベノム生 産が予定されたが、英国の産業活動鈍化に伴い計画は前進せず、これらの計画は一つも実現しなかった。
 NATO標準とはなれなかったが、英国空軍では当機を戦闘攻撃機として採用し、後にレーダーを搭載し た全天候型迎撃機としても使用した。また英国海軍も着艦装備を搭載した機体を艦上迎撃機として採用しシ ー・ベノムと名付けている。海外へはイラク、スイス、スウェーデン、オーストラリアなどにも輸出され、 フランスではSNCASE社においてライセンス生産が行われた。フランスで生産された機体はアキロンと 命名されフランス空軍・海軍で使用された。
 当時のベストセラー戦闘機である F−86セイバーMiG−15などに比べると 性能的に目をみはる物もないが、英国戦闘機の歴史を語る上で外せない機体であろう。

機体詳細データ(ベノムFB.Mk4)
寸法(L×W×H/翼面積)9.71×12.7×1.88m / 25.99m2
(全幅は翼端燃料タンクを含む)
機体重量(自重/全備)4,170kg / 6,950kg
飛行速度(最大/巡航)1,030km/h(6,100m)
上昇率(海面上)2,200m/min
上昇限度(実用)14,600m
離着陸距離(離陸/着陸)不明
航続距離1,700km(翼端タンク装備)
エンジンデ・ハビランド社製 ゴーストMk105ターボジェット×1基
推力 2,340kg
武装イスパノ20mm機関砲×4(弾数各150)、76.2ミリロケット弾×8、454kg通常爆弾×2など
乗員数/機体初飛行1名 / 1949年9月2日(原型機DH112)
備考(各タイプ詳細) DH112:原型機。最初はバンパイアMk6と呼ばれていた
VENOM FB.Mk1:最初の生産型。戦闘爆撃機型。ゴーストMk103エンジン搭載
VENOM NF.Mk2:Mk1を改良した夜間戦闘機型
VENOM NF.Mk3:ゴーストMk104エンジンを搭載した改良型夜間戦闘機
VENOM NF.Mk2A:Mk2にMk3の風防や尾翼をつけた改修型
VENOM FB.Mk4:Mk105エンジン、射出座席や幅広尾翼を採用した改良型戦闘爆撃機
SEA VENOM NF.Mk20:Mk2に着艦用装備を取り付けた海軍型原型機
SEA VENOM FAW.Mk20:艦上全天候戦闘機兼攻撃機の生産型。折り畳み主翼を持つ
SEA VENOM FAW.Mk21:ゴーストMk104エンジンを搭載した改良型艦上機
SEA VENOM FAW.Mk22:Mk105エンジン、射出座席を採用した海軍型の最終モデル
VENOM FB.Mk50:FB.Mk1の輸出モデル名称。複数国へ供給
VENOM NF.Mk51:スウェーデン向けの夜間戦闘機型。NF.Mk2準拠
SEA VENOM FAW.Mk53:オーストラリア向けの海軍型。FAW.Mk21準拠
VENOM FB.Mk54:FB.Mk4の輸出モデル名称。スイスでもライセンス生産
SNCASE AQUILON 20:フランス生産の改良型原型。FAW.Mk20準拠
SNCASE AQUILON 201:フランス生産の単座夜間戦闘機型
SNCASE AQUILON 202:フランス生産の海軍型全天候戦闘機
SNCASE AQUILON 203:アキロン202のレーダーを改良したモデル
SNCASE AQUILON 204:フランス生産の複操縦装置付きの複座練習機型
LAST UPDATE 2001,01,14