デ・ハビランド バンパイア

VAMPIRE , de Havilland

Vampire
ノルウェー空軍所属のバンパイアFB.Mk52

 英国が第二次大戦直後に実戦配備した最初の単発ジェット戦闘機。F・B・ハルフォード少佐が 設計した最初のターボジェットエンジン(ゴブリンエンジンの原型)が有望であることを見抜いた 英国航空省は1941年にF6/41仕様書を発行した。この仕様書に準拠する戦闘機としてデ・ ハビランド社はDH100と名付けた単発戦闘機を設計した。このDH100は空気圧縮性問題を 避けるため双胴双尾翼とし、卵形の中央胴体後部にゴブリンエンジンを搭載するスタイルをしてい た。最初の原型機は1943年9月に初飛行し、1944年5月には英国空軍から120機の発注 を受け製造が開始されたが、生産型1号機が完成したのは第二次大戦終結直前の1945年4月2 0日であった。
 1946年3月から部隊配備が始まった当機は、いくらか出力不足気味ではあったものの欠点は 皆無と言って良いほどで、保守の容易さもあって順次大戦中のレシプロ戦闘機からの切り替えがな されていった。
 英国空軍の他に海軍も艦上型に改修した機体をシーバンパイアと名付け採用したほか、大戦で国 内が疲弊し自国での航空機開発が事実上不可能であったフランスをはじめとするヨーロッパ諸国や 中東、オーストラリア、インド、南ローデシアなどへも輸出された。南ローデシアが放出した中古 機体は1980年代中頃までジンバブエなどで現役であったという。
 最終的に原型機を含め4,206機のバンパイアが英国内および海外工場で生産されている。

機体詳細データ(バンパイアFB.Mk5)
寸法(L×W×H/翼面積)9.37×11.58×2.69m / 24.34m2
機体重量(自重/全備)3,290kg / 5,600kg
飛行速度(最大/巡航)860km/h(10,400m)
上昇率(海面上)1,240m/min
上昇限度(実用)12,200m
離着陸距離(離陸/着陸)不明
航続距離1,900km(最大燃料)
エンジンデ・ハビランド社製 ゴブリン2・ターボジェット×1基
推力 1,410kg
武装20mm機関砲×4、翼下に227kg通常爆弾×2またはロケット弾×8
乗員数/機体初飛行1名(単座)、2名(複座) / 1943年9月20日(原型機DH100)
備考(主要タイプ詳細) DH100:原型機。当初の愛称は「スパイダークラブ」(3機)
VAMPIRE F.Mk1:最初の単座戦闘機型。ゴブリン2エンジン搭載(244機)
VAMPIRE F.Mk3:機体改設計、落下燃料タンク装備の機体(202機)
VAMPIRE FB.Mk5:主翼下に兵装搭載設備を付加した機体(1,285機)
VAMPIRE FB.Mk9:ゴブリン3エンジンを搭載した熱帯用改良機(326機)
VAMPIRE NF.Mk10:複座型の夜間戦闘機(95機)
VAMPIRE T.Mk11:複座型の練習機。ゴブリン35エンジン搭載(731機)
SEA VAMPIRE F.Mk20:英国艦隊航空隊向けの艦上戦闘機型(18機)
SEA VAMPIRE Mk21:腹這い着艦試験用に改修した機体の呼称(3機改修)
SEA VAMPIRE T.Mk22:英国艦隊航空隊向けの複座練習機型(73機)
VAMPIRE FB.Mk25:ニュージーランド向け輸出機。Mk5準拠(47機)
VAMPIRE F.Mk30:オーストラリア生産機。ニーンエンジン搭載(80機)
VAMPIRE FB.Mk31:オーストラリア生産機。ニーンエンジン搭載。Mk5改修(29機)
VAMPIRE F.Mk32:オーストラリア生産機。Mk30に空調設備を搭載した改修型(1機改修)
VAMPIRE T.Mk33:オーストラリア生産機。ゴブリンエンジン搭載(36機)
VAMPIRE T.Mk34:オーストラリア生産機。海軍型(5機)
VAMPIRE T.Mk34A:オーストラリア生産機。Mk.34の射出座席追加改修型
VAMPIRE T.Mk35:オーストラリア生産機。燃料増加型(68機)
VAMPIRE T.Mk35A:オーストラリア生産機。Mk33をMk35準拠に改修したモデル
VAMPIRE FB.Mk50:スウェーデン向け輸出機。スウェーデン呼称はJ28。新規に143機製造
VAMPIRE FB.Mk51:Mk.5改修の輸出型原型機。見本機としてフランスに引き渡し。1機改修
VAMPIRE FB.Mk52:Mk.6準拠の輸出型。ノルウェー25機、エジプト50機、フィンランド5機、イラク
            12機、レバノン8機の計101機製造。エジプトの中古機7機が後にヨルダン
            へ移籍
VAMPIRE FB.Mk52A:イタリアのライセンス生産機(マッキ社およびフィアット社で計80機製造)
VAMPIRE FB.Mk53:フランスのライセンス生産機(ニーンエンジン搭載。SNCASE社で250機製造)
            フランスでの呼称はミストラル
VAMPIRE NF.Mk54:イタリア向けの複座夜間戦闘機。29機製造。後にインドへ移籍
VAMPIRE T Mk55:輸出用複座練習機型。オーストリア5機、ビルマ8機、セイロン5機(後に回収)、
            チリ5機、エジプト12機、エール6機、フィンランド5機、インド55機、イン
            ドネシア8機、イラク6機、レバノン3機、ニュージーランド6機、ノルウェー4機、
            ポルトガル2機、南アフリカ21機、スウェーデン57機(J28)、 シリア2機、ベ
            ネズエラ6機の計216機を新造
            また英空軍の中古T.Mk11をT.Mk55基準に改造したものをニュージーランド6機、
            ヨルダン2機、南ローデシア4機の輸出あり
LAST UPDATE 2005,03,09(FirstUp2001,02,03)