ダッソー ミラージュF1

MIRAGE F1 ,Dassault

MIRAGE F1
スペイン空軍第462飛行隊所属のミラージュF1EE

 ダッソー社が誇るミラージュ戦闘機シリーズのうち最も異端視されるのがこのF1である。その理由は無尾翼デ ルタという際だった特徴を備えるミラージュシリーズの中で当機だけが水平尾翼を持ったオーソドックスなスタイ ルをしているからで、これにはSTOL(短距離離着陸)性能を向上させるためという理由が有ったためだ。
 ミラージュIIIの生産が最高潮 だった1960年代初期にその後継機としてVTOL(垂直離着陸)機やVG(可変翼)機が検討されたが、非現 実的かつ予算オーバーとなる計画のため後継機開発は頓挫することになってしまった。このときVG機に搭載する 新型エンジンの試験のため低速飛行が可能なミラージュIII変形機(デルタ翼は低速飛行に不向きなため通常翼と 水平尾翼を取り付けた)であるF2がミラージュIIIの暫定的な後継機となることにフランス空軍は目を付けたが、 ダッソー社は国際市場で勝つためにはもっと小型化したローコスト戦術戦闘機が必要であるとしてF2を改設計し たF1を開発したのである。
 小型化したおかげで多機能戦術戦闘機としての市場評価は高く、フランス空軍を初めヨーロッパ・中東やアフリ カ諸国への売り込みにも成功しており、迎撃任務をはじめ対地攻撃、戦術偵察、対艦攻撃など幅広い任務に使用さ れている。

機体詳細データ(ミラージュF1C)
寸法(L×W×H/翼面積)15.0×9.32×4.5m / 25.0m2
(全幅は翼端に空対空ミサイル搭載時の寸法)
機体重量(自重/全備)7,400kg / 15,200kg
飛行速度(最大)M2.2(高空)、M1.2(低空)
上昇率(海面上)14,580m/min
上昇限度(実用)20,000m
離着陸距離(離陸/着陸)450m / 500m
戦闘行動半径1,390km(H−L−H、増槽3個使用)、900km(通常迎撃)
エンジンSNECMA社製 アター9K50ターボジェット×1基
推力 7,190kg×1(A/B)  機体内燃料搭載量 4,600リットル
武装30mmDEFA機関砲×2(弾数各135)、翼端にマトラR550対空ミサイル×2、胴体下および翼下にマトラS530F対空ミサイル×2、エグゾセ対艦ミサイル×1、ロケットポッド×4、マトラARMAT対レーダーミサイル×1、ベルーガ収束爆弾×4、増加燃料タンクなど最大6,300kgの兵装を搭載可能
乗員数/機体初飛行1名(単座)、2名(複座) / 1966年12月23日
備考(各タイプ詳細) MIRAGE III F2:元となった試験機。通常主翼と水平尾翼をもったミラージュIII変形
MIRAGE F1:アター9Kエンジンを搭載した原型機(4機製作)
MIRAGE F1.A:簡易化した攻撃機兼昼間迎撃戦闘機型。輸出用のみ
MIRAGE F1.B:内部機関砲を除去して燃料搭載量を増やした複座練習機型
MIRAGE F1.C:仏空軍向け全天候型迎撃機型の基本型
MIRAGE F1.C-200:C型の装備近代化改修型。C型は順次このモデルに改修中
MIRAGE F1.CR:仏空軍向け偵察型機体の呼称
MIRAGE F1.CT:仏空軍向け機体。C型を改良し対地攻撃機としたもの
MIRAGE F1.E:追加電子装備を搭載した全天候多用途機型。輸出用のみ
MIRAGE F1.E/M53:M53エンジンを装備した原型。不採用
MIRAGE F1.R:機首に光学カメラおよびセンサーを搭載した偵察型
LAST UPDATE 2000,12,16