ダッソー ミラージュ5&50

MIRAGE 5&50 ,Dassault

Mirage5
ペルー空軍所属のミラージュ5P

 1967年6月に勃発した第3次中東戦争(俗に言う「6日間戦争」)でイスラエル軍が投入した ミラージュIIIは開戦後の 数時間でアラブ連合軍の飛行場を潰滅させた空軍兵力の最先鋒として活躍した。このときミラージュIIIが 最高の能力を備えた迎撃戦闘機としてだけではなく、戦闘爆撃機としても優秀であることを見抜いたイス ラエルはダッソー社に対して、更に搭載能力を強化した地上攻撃型ミラージュIIIを生産するよう求めた。
 そこで開発された新しい地上攻撃型をダッソー社ではミラージュ5と名付けた。ミラージュIIIの機体設 計を流用し電子装備を簡略化した替わりに燃料タンクを増加させ、胴体下部にハードポイント(兵装搭載器 具)を追加した機体は、イスラエルやフランス本国を始め中東・南米・ヨーロッパなどにセールスされ大 成功を納めた。
 1970年代初めにはエンジンを強化し性能向上を目指したミラージュ50(ミラージュIIIをベースに シラノIVレーダーを搭載した多用途型ミラージュIII/50とミラージュ5をベースにアガペレーダーを搭 載し地上攻撃に特化されたミラージュ5/50が存在する)も完成しており、エンジン部の部品共通性こそ 低いものの機体部品や人員訓練などはミラージュ5とほぼ同じものが使えるためミラージュ5を導入した各 国での航空兵力増強に一役買っている。

機体詳細データ(ミラージュ50)
寸法(L×W×H/翼面積)15.56×8.22×4.50m / 35.00m2
機体重量(自重/全備)7,150kg / 13,700kg
飛行速度(最大/巡航)M2.2(高空)、M1.1(海面高度)
上昇率(海面上)11,156m/min
上昇限度(実用)18,500m
離着陸距離(離陸/着陸)1,830m / 不明
戦闘行動半径1,315km(H−H−H対空任務)、1,260km(H−L−H対地攻撃任務)
エンジンSNECMA社製 アター9K50ターボジェット×1基
推力7,200kg(A/B) 機体内燃料搭載量2,710kg
武装DEFA552A 30mm機関砲×2(弾数核125)、翼下および胴体下にマトラR550AAM×2、マトラS530AAM×2、エグゾセ対艦ミサイル×1、250kg通常爆弾×8など最大4,000kgの兵装搭載可能
乗員数/機体初飛行1名(単座)、2名(複座) / 1967年5月19日(ミラージュ5原型)
備考(各タイプ詳細) MIRAGE5:ミラージュIIIEから発展した地上攻撃機。さまざまな派生型が存在
MIRAGE5.D:内部機関砲の無い複座練習機型。さまざまな派生型が存在
MIRAGE5.E:ミラージュIIIE相当の全天候装備を搭載したモデル
MIRAGE5.E2:近代化航法/攻撃システムを搭載した機体。エジプトが導入
MIRAGE5.P3/P4:ペルー向けミラージュ5Pに新型レーダーを搭載した型。発注取り消し
MIRAGE5.PA2/PA3:P3などと同様の改良を加えたパキスタン向け機体
MIRAGE5.R:機首に光学カメラを搭載した偵察型。さまざまな派生型が存在
MIRAGE50:エンジン出力を強化した型。搭載レーダーにより幾つかのタイプがある
MIRAGE50.C:チリ向けの機体。アガペレーダーを搭載
MIRAGE50.FC:5Fにアター9K50エンジンを搭載した改造型
MIRAGE50.DC:チリ向け50Cの複座練習機型
MIRAGE MILAN:スイスに提案されたミラージュ50原型。計画のみ
LAST UPDATE 2000,11,25