ミコヤン・グレビッチ MiG−25”フォックスバット”

MiG-25 "FOXBAT" ,Mikoyan-Gurevich

MiG-25
旧ソビエト防空軍のMiG−25PDS”フォックスバットE”

 米国空軍が1950年代に構想した長距離超音速爆撃機計画においてはマッハ3で飛行する核兵器搭載爆 撃機によりソビエト領空へ攻撃を行うことが主眼とされていた。この計画により開発されたのが ノースロップXB−70爆撃機で あった。
 この爆撃機はソビエト防空軍に大きな衝撃を与え、XB−70を迎撃できる戦闘機の研究が1958年に スタートした。1960年から設計が開始された機体は、開発期間を短縮するために高価で加工の難しいチ タニウムを極力使わないようにし、ニッケル鋼を多用したため重量過多となった。しかし強力なツマンスキ ーR15エンジン(このエンジンは最大速度時に最も効率の良いラムジェットに近い構造であった)を搭載 しており、高空でM2.5以上の最高速度を発揮できた。現在の迎撃戦闘機の主流である高翼配置や二次元 エアインテイク、双尾翼などの組み合わせは時代を先取りしたものであったと言えよう。
 旧ソビエト防空軍の他にインドや親ソビエト系中東諸国へも輸出・供与されているが、電子機器の旧式化 や燃料効率の悪いエンジンなどが原因で現在は第一線を退いており、偵察任務にごく少数が従事するだけと なっている。

機体詳細データ(MiG−25P”フォックスバットA”)
寸法(L×W×H/翼面積)19.75×14.02×5.14m / 61.4m2
機体重量(自重/全備)約20,000kg / 41,000kg
飛行速度(最大)3,000km/h(高空)、1,200km/h(低空)
上昇率(海面上)12,495m/min
上昇限度(実用)20,700m
離着陸距離(離陸/着陸)1,250m / 800m
航続距離940〜1,280km(増槽使用、超音速巡航)
エンジンツマンスキー設計局製R−15BD−300ターボジェット×2基
推力11,000kg×2(A/B)
武装AA−6対空ミサイル×4またはAA−7対空ミサイル×2、AA−8対空ミサイル×2
乗員数/機体初飛行1名(単座)、2名(複座) / 1964年3月6日(原型Ye−266P)
備考(各タイプ詳細) 【"FOXBAT〜"の分類はNATOによるものです】
Ye-266P:原型機。到達高度や最高速度の世界記録を樹立
MiG-25P "FOXBAT A":フォックスファイアレーダーを搭載した基本型
MiG-25R "FOXBAT B":機首にカメラを搭載した偵察型。同様の機体にRB、RBV、BBT型がある
MiG-25U "FOXBAT C":複座にした操縦転換訓練型。レーダーは無い。他にRU、PU型がある
MiG-25RBF "FOXBAT D":側方監視レーダーを搭載した偵察型。他にRBK、RBS、RBSh型がある
MiG-25PDS "FOXBAT E":エンジン出力を強化した防空迎撃型。他にPD型もある
MiG-25BM "FOXBAT F":AS−11対レーダーミサイルを搭載した防空制圧型
LAST UPDATE 2000,11,26