ミコヤン・グレビッチ MiG−15”ファゴット”

MiG-15 "FAGOT" , Mikoyan-Gurevich

MiG-15
レストアされ現在も飛行可能なMiG−15(塗装は旧ソビエト空軍風)

 旧ソビエトで開発されたジェット戦闘機。第二次大戦の勝利によってドイツから得た技術を使い完成 させた最初の量産型ジェット戦闘機 MiG−9に続く機体。
 高性能ターボジェットエンジンを搭載した戦闘機を欲した旧ソビエト空軍は、ミグ設計局に命じて後 退角のついた片持ち中翼単葉翼を持つ単座戦闘機の設計開発を開始した。ところが搭載できる適当な国 産エンジンがなかったため、急遽英国からRR社製ニーンエンジンを輸入することになった。
 対ソ関係と技術流出への懸念を天秤にかけた英国政府であったが、結局エンジン輸出の許可は出され、 このニーンエンジンをコピーしたクリモフVK−1エンジンが完成、これを搭載することとなった。
 原型機の初飛行に成功したため1948年には生産に着手、翌年から部隊配備が開始されている。ま たすぐに改良型であるbisや複座型UTIも完成し、1950年代以降旧東側諸国全体へ配備された。 1950年11月には朝鮮戦争に当機も参戦、当時西側でこの機体と互角に戦える戦闘機といえば F−86セイバーしか無か ったため、西側諸国にかなりの衝撃を与えた(実際には性能はMiG−15の方が高かったものの操縦 士練度の低さや稼働率の問題から米軍戦闘機の方が優位に戦いを進めることができた)。
 旧ソビエト国内以外にもポーランドやチェコスロバキアなどでライセンス生産されたほか、中国でも 機体部品や補助部品製造が行われており(中国では当機のコピー製造も行った)、単座型は1980年 代、複座型に至っては20世紀末頃まで各国で使用されていた息の長い戦闘機である。

機体詳細データ(MiG−15bis)
寸法(L×W×H/翼面積)10.86×10.08×3.70m / 20.6m2
機体重量(自重/全備)3,680kg / 6,050kg
飛行速度(最大)1,080km/h(海面高度)
上昇率(海面上)不明
上昇限度(実用)15,500m
離着陸距離(離陸/着陸)不明
航続距離1,900km(空輸時)
エンジンクリモフ設計局製 VK−1ターボジェット×1基
推力 2,700kg
武装37mm機関砲×1、23mm機関砲×2、翼下に最大500kgまでの兵装搭載可能
乗員数/機体初飛行1名(単座)、2名(複座) / 1947年末?
備考(各タイプ詳細) I-310:原型機の呼称
MiG-15:開発時につけられた機体名称。初期生産型の呼称
MiG-15bis:主に部隊配備された機体の呼称。原型から若干の改良あり
MiG-15UTI:転換・操縦訓練用複座機。NATOコード”ミジェット”(Midget)
MiG-15P:bisから発展した全天候型。機種空気取り入れ口上部にレーダー装備
MiG-15SB:戦闘爆撃機型。両翼に爆弾架を装備
MiG-15SP:UTIから発展した全天候型。レーダーはP型と同様のもの
MiG-15T:UTIを改修した標的曳航機
MiG-15bisT:bisを改修した標的曳航機
S-102:チェコスロバキアで生産された機体。MiG−15に準拠
S-103:チェコスロバキアで生産された機体。bisに準拠
SC-102:チェコスロバキアで生産された機体。UTIに準拠
LIM-1:ポーランドで生産された機体。MiG−15に準拠
LIM-2:ポーランドで生産された機体。bisに準拠
LIM-3:ポーランドで生産された機体。UTIに準拠
潘陽J-2:中国で生産された機体。bis準拠。制式名称は殲撃(Jian-Ji)2
LAST UPDATE 2001,05,13