潘陽 殲撃8(J−8/F−8)

JIAN-JI 8(J-8/F-8) , Shen Yang

J-8
中国人民軍空軍所属の殲撃8(J−8)

 1950年代末から60年代始めにかけて中ソ間の友好関係は悪化の一途を辿っていた。そのため旧ソビエト からの援助に頼っていた軍事力整備もあてにできなくなり、逆に旧ソビエト軍との交戦も視野に入れた軍事力整 備が急務となっていた。
 そこで旧ソビエト技術者が引き揚げてしまったため停止していた MiG−19のライセンス機(後 に「殲撃6」と呼ばれる機体)生産ラインを自力で稼動水準に持っていくとともに、 MiG−21のコピー開発を急ぐ ことにしたのである。
 このコピーされたMiG−21を中国では「殲撃7」と名付けたが、対ソビエト戦を視点に入れた場合、同じ 機体を保有するだけでは有利に戦闘を進めることはできないため、さらに「殲撃7」の発展型開発を進めること にした。しかし当時中国で入手可能だった戦闘機用エンジンはツマンスキーRD11エンジンのコピーである渦 噴7型しか無かったため、このエンジンを2基搭載して推力強化を図ることにした。なお旧ソビエトもMiG− 21の機体を拡大し、エンジンを双発にした研究機Ye−152Aを1961年のモスクワ航空ショーに出品し ており、この機体が中国に大きなヒントを与えたことも否定できないであろう。
 文化大革命の混乱のため開発に5年という長い期間がかかったものの、1969年に初飛行した当機はその後 細々と生産が続けられ現在の中国防空の要として実戦部隊に配備されている。だが、贔屓目にみても時代遅れの 戦闘機であり、数により敵を圧倒するには配備機数が少ないようなので、中国人民軍空軍の主力機であるとは考 えにくい。

機体詳細データ(J−8)
寸法(L×W×H/翼面積)19.5×9.35×5.41m / 43.2m2
機体重量(自重/全備)10,000kg / 15,000〜17,800kg
飛行速度(最大)M2.2(12,000m)
上昇率(海面上)11,000m/min
上昇限度(実用)20,000m
離着陸距離(離陸/着陸)不明
航続距離1,480〜2,220km
エンジン潘陽製 渦噴7(WP7)ターボジェット×2基
推力 6,100kg×2(A/B)  機体内燃料搭載量 5,500リットル
武装30mm機関砲×2、胴体下にAAM×4、増加燃料タンク×2
乗員数/機体初飛行1名 / 1969年7月5日
備考(各タイプ詳細) 殲撃8:当機の呼称。略称はJ−8、海外向け呼称はF−8
LAST UPDATE 2001,04,08