グラマン F9Fパンサー/クーガー

F9F PANTHER/COUGER , Grumman

F9F
パンサー生産5号機であるF9F−3

 1945年5月に米国海軍航空局は「空母から運用するレーダー搭載全天候・夜間戦闘機」開発計画を 立案した。この案を受けて名乗りを上げた各航空機メーカーのうち最終的にグラマン社が選定された。同 社が提案したG−75設計案はXF9F−1と命名され開発契約を締結されたが、この提案は流動的なも のであった。かなり迷った末に同社はウェスチングハウス社製の小型ターボジェットエンジンを4発搭載 することにしたが、これでは機体がかなり大型化し空母での運用が難しくなることは最初から判りきった 事実であった。
 そこで同社は米海軍当局と交渉の結果、単純な昼間戦闘機XF9F−2の開発計画に契約をすり替える ことに成功し、大型ジェットエンジン1基を搭載するG−79設計案を新たに提案した。大型エンジン搭 載としたのは米海軍がロールスロイス社製のニーンエンジンに興味を示したためで、エンジン契約社であ るプラット&ホイットニー社は急遽ニーンエンジンの製造ライセンスを入手し改良型エンジン開発に力を 注いだ。しかし、もう一つのエンジン契約社であるアリスン社はデ・ハビランド社製ウィトルエンジンの 派生型であるJ33に努力を傾けることにした。
 ニーンエンジン改良型のJ42エンジンを搭載した原型1号機は1947年11月に初飛行を実施した が、多数の細かな改修点とスネーキング(機首が左右に小さく震動する現象)問題の改修が必要であった (スネーキング問題については結局後期生産型になっても改修されなかった)。遅れてJ33エンジンを 搭載した原型3号機も初飛行したがJ33エンジンの不調に悩まされ、J33エンジン搭載の生産型F9 F−3は後に全機がF9F−2仕様に改修されてしまっている。
 特徴的な直線翼を持つ当機は朝鮮戦争で活躍し1950年代末まで現役として働いた後、大半の機体は 無人標的機に改修された。また当機を後退翼に改設計した改良型F9F−6以降の機体はクーガーと名付 けられ、1960年代(練習機型は1972年)まで使用された。

機体詳細データ(F9F−2B)
寸法(L×W×H/翼面積)11.35×11.58×3.45m / 23.22m2
(全幅は翼端燃料タンクを含む)
機体重量(自重/全備)4,530kg / 8,840kg
飛行速度(最大)877km/h(6,700m)
上昇率(海面上)1,570m/min
上昇限度(実用/限界)不明
離着陸距離(離陸/着陸)不明
航続距離2,180km(増槽使用)
エンジンプラット&ホイットニー社製 J42−P−8ターボジェット×1基
推力 2,590kg
武装20mm機関砲×4(弾数各190)、翼下に対空ロケット弾×6または454kg通常爆弾×2
乗員数/機体初飛行1名(単座)、2名(複座) / 1947年11月24日(XF9F−2)
備考(主要タイプ詳細) XF9F-1:社内呼称G-75。4発の夜間戦闘機開発計画呼称。計画のみ
XF9F-2:J42エンジンを搭載した原型機(2機)
XF9F-3:J33エンジンを搭載した原型機(1機)
F9F-2:J42エンジン搭載の最初の生産型単座戦闘機(562機)
F9F-3:J33エンジン搭載の生産型単座戦闘機(54機)
F9F-4:J33エンジン搭載予定だったが全機がF9F−5として完成
F9F-5:J48エンジン搭載の単座戦闘爆撃機(704機)
F9F-5P:非武装の写真偵察機型。武装以外はF9F−5準拠(36機)
F9F-5KD:無人標的機に改修された5および5P型の呼称
F9F-6:主翼に後退角を持たせた改良型単座戦闘機(646機)
F9F-7:6型にJ33−A−16Aエンジンを搭載した機体(168機)
F9F-8:6型を発展・改設計した改良型戦闘機(662機)
F9F-8P:非武装の写真偵察型。武装以外はF9F−8準拠(110機)
F9F-8T:縦列複座に改設計した複座練習機型(400機)
LAST UPDATE 2001,02,03