AIDC F−CK−1経国

F-CK-1 CHING-KUO , AIDC

F-CK-1
中華民国(台湾)空軍所属のF−CK−1B

 F−104F−5を使用していた中華民国(台湾)空軍は これら機体の後継機としてF−16やF−20 の導入を1980年代はじめに検討した。ところが、中華人民共和国との関係を悪化させたくないアメリカが F−16などの禁輸措置を執ったためこの計画は頓挫、代わりに国産防衛戦闘機(Indigenous Defensive Fighter: IDF)を自主開発することに方針転換されたのである。
 米国ジェネラルダイナミクス(現ロッキード・マーティン)社ほか数社の協力を受けたAIDC(航空宇宙 工業開発社:Aerospace Industrial Development Corporation、開発開始時の旧社名は航空工業開発中 心:Aero Industrial Development Center)により1985年から原型機の開発が開始され、1号機は1989 年に初飛行を実施した。
 機体の全体設計にはGD社が協力したため同社のF−16に似通ったものとなっており、操縦系統もF−16 同様のフライバイワイヤ方式となっている。また、コクピットまわりやFCS(火器管制システム)などはF− 20に使用されたAPG−67を元にしたものが採用された。空気取り入れ口は胴体横に取り付けられた固定式 であるがF/A−18と同様、ストレーキ下に 設置することで吸入効率を高めるようになっている。
 米国製戦闘機の良いところを集めて設計されたような機体であるが、搭載するエンジンだけはアメリカ政府の 圧力により高出力エンジンが調達できなかったため、米ギャレット社とAIDC社が協同で設立したITEC社 により開発されたTFE1042−70(軍用名F125)エンジンを2基搭載している。このエンジンは現代 戦闘機としてやや推力不足であるが、当機は機体軽量化によりある程度の機動性を確保することに成功している。
 後にF−16の禁輸措置が解除されたことや、フランスから ミラージュ2000−5を輸入すること が決まったため、当機の生産予定数は削減されたものの、1997年頃までに130機が納入されている。
 ちなみに「経国」(ChingKuo)という愛称は1988年に亡くなった台湾総統の蒋経国(初代総統である蒋介 石の息子)を偲ぶために付けられたものである。

機体詳細データ(F−CK−1A)
寸法(L×W×H/翼面積)14.48×8.53×不明m / 26.0m2
(全幅は翼端ミサイルを含む。全高はデータ無し)
機体重量(自重/全備)5,500kg / 9,100kg
飛行速度(最大)M1.7
上昇率(海面上)15,000m/min
上昇限度(実用)16,000m
離着陸距離(離陸/着陸)不明
航続距離1,500km程度
エンジンITEC社製 TFE1042−70ターボファン×2基
推力 4,200kg×2(A/B)
武装20mmM61A1バルカン砲×1、翼端にAAM×2、翼下にAAM×4またはAGM×2、胴体下に増加燃料タンクを搭載可能
乗員数/機体初飛行1名(A型)、2名(B型) / 1989年5月28日
備考(各タイプ詳細) F-CK-1A:単座型の呼称(102機)
F-CK-1B:複座型の呼称(28機)
LAST UPDATE 2001,05,18