マクダネル F3H(F−3)デーモン

F3H(F-3) DEMON , McDonnell

F3H
米海軍空母F・D・ルーズベルト艦上のF3H−2デーモン

 第二次大戦まで米国海軍には「艦上運用される機体はその制約上、陸上基地から運用される機体よりも 性能(戦闘能力・搭載能力等)が劣っている」という認識がはびこっていた。ところが、米海軍が終戦間 際に就役させたFH−1ファントム艦上戦闘機(とその発展型であるF2Hバンシー)はその認識を覆す 性能を示した。このことに気をよくした米海軍では、さらなる高性能艦上戦闘機を求めて1949年9月 にマクダネル社へXF3H−1原型機開発の発注を行った。
 ところが搭載エンジンに選定したウェスチングハウス社製XJ40エンジンの開発に手間取り、莫大な 開発費増大と計画遅延をもたらし、さらに米海軍が要求した全天候作戦能力の付与も計画に大きな混乱を 招いた。
 原型機1号は1951年8月に初飛行したが、エンジンの信頼性向上や全天候作戦能力付与に時間がか かり生産型F3H−1Nの1号機は1953年12月にようやくロールアウトすることができた。だが、 搭載エンジンであるJ40は設計出力を出すことができず、そのため墜落事故が頻発し殉職者まで出した ため58機で生産は中止、エンジンをアリスン社製J71に変更したF3H−2へと生産タイプは変更さ れている。
 1950年代末まで生産が続けられた当機は、最大時には米海軍の11個飛行隊へ配備されていたが、 1960年代になって ベストセラー機F−4ファントムIIの 配備が開始されるとその活躍の場を失い、ベトナム戦争が激化する頃には全機が退役してしまっていた。

機体詳細データ(F3H−2/F−3B)
寸法(L×W×H/翼面積)17.96×10.77×4.44m / 48.2m2
機体重量(自重/全備)10,000kg / 15,400kg
飛行速度(最大)1,040km/h(9,100m)
上昇率(海面上)不明
上昇限度(実用)13,000m
離着陸距離(離陸/着陸)不明
航続距離2,200km(増槽使用)
エンジンアリスン社製 J71−A−2ターボジェット×1基
推力 6,350kg(A/B)
武装20mm機関砲×4、翼下に爆弾・ロケット弾・スパローAAMなど最大2,270kgまでの兵装搭載可能
乗員数/機体初飛行1名 / 1951年8月7日(XF3H−1)
備考(各タイプ詳細) XF3H-1:原型機。ウェスチングハウス社製J40エンジン搭載
F3H-1N:最初の生産型。原型にレーダー搭載したもの。艦上戦闘機(58機)
F3H-1P:F3H−1偵察機型の計画呼称。生産されず
F3H-2:艦上戦闘爆撃機型。J71エンジン搭載。後にF−3Bと改称(239機)
F3H-2N:J71エンジン搭載型。武装は1N型に準ずる。後にF−3Cと改称(140機)
F3H-2M:2N型に似るがスパローAAM搭載能力を付与。後にMF−3Bと改称(80機)
F3H-2P:F3H−2偵察機型の計画呼称。生産されず
F3H-3:GE社製J73エンジン搭載型の計画呼称。生産されず
LAST UPDATE 2001,05,27