三菱 一〇〇式輸送機(キ57)

陸軍:昭和15年初飛行、昭和16年制式採用、昭和20年生産終了

一〇〇式輸送機
一〇〇式輸送機二型(民間型のMC−20II:中華航空の『白鶴号』)

 日華事変が勃発し戦線が拡大するにつれて軍民とも貧弱だった輸送力に限界が近づいたため、陸軍は 高性能重爆である九七式重爆撃機を高速輸送機 として改造することにした。それを受けて三菱重工では昭和15年7月にキ57と名付けられた試作機を完成、 審査の結果、操縦席の視界改善が指示されたのみでただちに制式採用となった。
 客席は胴体部の中央通路を挟んで左右とも縦一列の配置となっており、外国製機に比べ日本人向けに設計 された座席は若干小さいものであった。当時陸軍輸送機の中心であった 九七式輸送機ロ式輸送機に比べ搭載能力も最高速度も優れ ており、全戦域において人員・物資輸送や連絡任務などに活躍した。一部の機体にはラ装置と呼ばれる空挺 降下用特殊装備が搭載されておりパレンバン空挺作戦やレイテ空挺作戦に投入されている。またグライダー 曳航母機に改修された機体もあり四式特殊滑空機を 持つ滑空飛行戦隊で使用されている。
 また、民間型(MC−20)も同時に生産されており、大日本航空や満州航空、中華航空などの旅客路線や、 朝日新聞社・読売新聞社などの通信連絡機として使用されている。一部の民間機は大戦中に徴用され、軍事輸送機 として使用された。

機体詳細データ(一〇〇式輸送機型[キ57-])
全長16.10m全高 4.77m
全幅22.60m翼面積70.08m2
自重5,522kg最大重量7,860kg
最高速度430km/h(高度3,400m)上昇限度7,000m
航続距離1,500kmプロペラハミルトン油圧式可変ピッチ3翅
発動機中島九七式改(ハ5改)空冷複列星形14気筒 離昇950馬力×2基
乗員数 4名総生産機数 507機(民間型含む)
武装武装なし:客席に11名搭乗可能
機体詳細データ(一〇〇式輸送機II型[キ57-II])
寸法等型と同様
自重5,585kg最大重量8,173kg
最高速度470km/h(高度5,800m)上昇限度8,000m
航続距離1,500kmプロペラハミルトン油圧式定速3翅
発動機三菱一式(ハ102)空冷複列星形14気筒 離昇1,080馬力×2基
乗員数 4名総生産機数上記参照
武装武装なし:客席に11名(通常客席)〜19名(横長ベンチ)搭乗可能
主要タイプ 一型(キ57-I):中島九七式改(ハ5改:公称890hp)発動機搭載の機体。民間向けはMC-20I。101機生産
二型(キ57-II):三菱一式(ハ102:公称1055hp)発動機搭載の機体。民間向けはMC-20II