川崎 三式戦闘機「飛燕」(キ61)

陸軍:昭和16年初飛行、昭和18年制式採用、昭和20年生産終了

キ61
三式戦闘機「飛燕」一型

下記写真はデアゴスティーニ社発行「隔週刊 第二次大戦傑作機コレクション」付属の模型です(クリックで拡大(要Javascript))
飛燕
第8号(2016.06.14)
三式戦闘機「飛燕」 1945年
日本陸軍第244航空隊 小林照彦大尉機


 川崎は長年ドイツの液冷エンジンをライセンス生産していたが、昭和13年にダイムラー・ベンツ社製のDB601の製造権を獲得し、ハ40として国産化した。陸軍は昭和15年にこのエンジンを使用した重戦闘機および軽戦闘機の開発を川崎に指示、軽戦闘機型は「軽戦闘機よりは運動性に劣るが諸外国の重戦闘機よりは運動性に優れており、武装は重戦闘機と軽戦闘機の中間を持った、あらゆる戦闘機に勝てる機体」という社内開発コンセプトによって設計が行われており、川崎社内ではそのコンセプトから『中戦』と呼ばれていた。機体構造は同時に開発していた重戦闘機キ60をベースとしていたが、格闘戦に対応するため各部に重量軽減策が盛り込まれていた。
 完成した試作機による審査の結果、キ60は旋回性能などに難があり不採用となったが、キ61は予想以上の性能を発揮し三式戦闘機「飛燕」として採用された。昭和18年以降主に南方戦線で使用されたが、エンジンの構造が複雑で前線での整備に手間がかかり稼動率が悪いという欠点があった。しかしエンジンが快調であれば戦争末期の高性能な米軍機にも引けをとらない強さを見せ本土防空に活躍した。
 後に液冷エンジンの不足から、余っている機体に空冷エンジンを搭載した五式戦闘機が開発されたが、この機体も高い性能を発揮しており、元々の機体設計がいかに優れていたかの証明になっている。

機体詳細データ(三式戦闘機「飛燕」一型改丙[キ61-改丙])
全長 8.94m全高 3.70m
全幅12.00m翼面積22.00m2
自重2,630kg最大重量3,470kg
最高速度580km/h(高度5,000m)上昇限度10,000m
航続距離1,800kmプロペラハミルトン油圧式定速3翅
発動機川崎二式(ハ40)液冷倒立V型12気筒 公称1,100馬力×1基
乗員数 1名総生産機数3,159機
武装20ミリ機関砲×2(前方固定)、13ミリ機銃×2(前方固定)、250キロ爆弾×2
機体詳細データ(三式戦闘機「飛燕」二型改[キ61-II改])
全長 9.15m全高 3.75m
全幅12.00m翼面積20.00m2
自重2,855kg最大重量3,780kg
最高速度600km/h(高度6,000m)上昇限度11,000m
航続距離600km+巡航1h+戦闘20分プロペラハミルトン油圧式定速3翅
発動機川崎ハ140液冷倒立V型12気筒 公称1,350馬力×1基
乗員数 1名総生産機数上記参照
武装20ミリ機関砲×2(前方固定)、13ミリ機銃×2(前方固定)、250キロ爆弾×2
主要タイプ キ61:原型機の呼称
一型甲(キ61-I甲):13mm機銃×2(胴体内)、7.7mm機銃×2(主翼内)の初期型
一型乙(キ61-I乙):一型甲の7.7mm機銃を13mm機銃に置き換えた機体
一型丙(キ61-I丙):13mm機銃×2、マウザー20mm機関砲×2の改良型。マ式砲機とも呼ばれる
一型丁(キ61-I丁):20mm機関砲を国産のホ5に置き換えた機体。少数ながら30mm機関砲装備機もある
二型(キ61-II):ハ140(公称1350hp)発動機搭載、翼面積拡大した改良型原型機
二型改(キ61-II改):二型に一型丁の主翼を取り付け尾翼再設計した機体原型機。急降下性能向上
二型甲(キ61-II甲):二型初期生産型。武装は一型丙と同様だった
二型乙(キ61-II乙):二型甲と同様の機体だが、武装は20mm機関砲×4
三型(キ61-III):改良型提案。原型1機のみ製作