国際 一式輸送機(キ59)

陸軍:昭和14年初飛行、昭和16年制式採用、昭和18年生産終了

一式輸送機
角形の胴体断面を持つ一式輸送機

 昭和13年に民間航空で使用している外国機を純国産機に代えていく計画を打ち出した逓信省航空局は、 その計画の第一歩として、日本航空工業(後の日本国際航空)に中距離路線用の双発旅客機開発を指令した。
 そこで日本航空工業では寺田航空研究所の計画を引継ぐことで開発を開始、寺田TK−3輸送機と名付 けられた木金混合構造肩翼単葉の試作機体を完成させた。だが実用機設計の経験不足から過重・馬力不足 をまねき不採用となり実用化が危ぶまれた。
 しかし陸軍ではキ54輸送機型(一式双 発高等練習機丙型)の生産が遅れていたこともあって、当機に対して発動機換装、垂直尾翼改修、操縦席 機器の改修などの改修指示を出し、改修の終了した機体を一式輸送機として採用を行っている。TK−3 では天風五型改一だった発動機はハ13甲に変更されている。両発動機とも離昇出力は同じであったが公 称出力はハ13甲の方が大きく、3翅に変更されたプロペラと良くマッチして高い能力を発揮した。また 重量軽減のため胴体は完全に再設計され、これにより自重は減少したが搭載能力はアップするという嬉し い余録もあった。
 結局陸軍用19機(この陸軍向け機体のうち少数が満州航空で旅客機として使用された)を含む合計5 9機が生産され、軍用・民間ともに大戦中を通じて使用された。人員8名もしくは700kgまでの貨物を搭載 可能な輸送機として、軍では主として司令部付属の輸送任務に従事、ごく少数機は機上作業練習にも使用さ れている。

機体詳細データ(一式輸送機[キ59])
全長13.40m全高 3.05m
全幅17.00m翼面積38.40m2
自重2,880kg最大重量4,140kg
最高速度307km/h(高度1,800m)上昇限度5,700m
航続距離800kmプロペラ固定ピッチ3翅
発動機日立九八式(ハ13甲)空冷星形9気筒 公称470馬力×2基
乗員数3名+乗客8名総生産機数 59機
武装武装なし
主要タイプ 一式輸送機(キ59):派生・改良型は無し