国際 三式指揮連絡機(キ76)

陸軍:昭和16年初飛行、昭和18年制式採用、昭和20年生産終了

三式指揮連絡機
三式指揮連絡機

 ドイツ軍が使用していた フィーゼラー・シュトルヒ連絡機の 性能に着目した陸軍は、同様の機体試作をキ76として日本国際航空へ指示、昭和16年に試作機が完成した。 シュトルヒなどの軽飛行機は指揮連絡機と呼ばれる部類に属する機体で、地上部隊指揮官や高級幕僚が指揮連 絡に使用する機体として、欧州や北アフリカ戦線では非常に重宝されている。日本陸軍では 九八式直協偵察機などが同様の任務に従事していた が、日華事変の戦訓からSTOL性能が高い機体を欲し、新規開発となったものである。
 輸入したシュトルヒと当機の比較試験の結果、キ76の方が短距離離着陸性能や失速速度などが優れていた ため、昭和18年末に三式指揮連絡機として制式採用された。機体全幅の4倍もあれば離着陸可能と言われた短 距離離着陸性能、見えすぎて困るとまで言われた下方視界、陸軍制式採用機中唯一の主翼折りたたみ機構など は特筆に値するものであった。また航空兵以外の兵科将兵でも簡単な訓練で操縦が可能なほど容易に操れたの も当機の大きな特徴であろう。
 前線での指揮連絡や着弾観測などに用いられる他、陸軍の護送空母(実際には丙型陸軍特殊船として上陸戦 などの際に舟艇母船に使用される船であったが、飛行甲板も持っていた)「あきつ丸」に艦上機として搭載され 対潜哨戒などに短期間ではあるが従事している。しかしすでに制空権が確保できない時期になっており目立っ た活躍を示すことはできなかった。

機体詳細データ(三式指揮連絡機[キ76])
全長 9.56m全高 2.90m
全幅15.00m翼面積29.40m2
自重1,110kg最大重量1,540〜1,620kg
最高速度178km/h上昇限度5,630m
航続距離420〜750kmプロペラ金属製固定ピッチ2翅
発動機日立二式(ハ42乙)空冷星形9気筒 公称280馬力×1基
乗員数2〜3名総生産機数不明
武装7.7ミリ機銃×1(後方旋回)、15キロ爆弾×4等
主要タイプ 三式指揮連絡機(キ76):派生・改良型は無し