立川 九五式一型練習機(キ9)

陸軍:昭和9年初飛行、昭和10年準制式採用、昭和19年生産終了

九五中練
熊谷陸軍飛行学校所属の九五式一型練習機

 海軍が開発した優秀な練習機である九三式中間練習機に 対抗して、陸軍でも新練習機を開発することにし立川飛行機(の前進である石川島飛行機)が設計を行った機体。
 当初は同じ設計の機体に発動機を積み換えることで初等練習機(150馬力級発動機搭載)と中間練習機(350 馬力級発動機搭載)の両方に使用することを考えており、操縦者の練度にあわせて性能に段階を付けられることから 階梯機と名付けられた。開発元の石川島飛行機は階梯機は技術的に困難と反対したが、陸軍側に押し切られる形で開 発は進められた。しかし初等練習機と中間練習機では発動機に重量差があり、初等用の小型発動機では機体の重量バ ランスが悪く危険だったため、最終的に初等練習機はキャンセルされている。
 完成した中間練習機型の方は「操縦が簡単すぎるのが欠点」(誰でも楽に操縦できる機体では操縦技量向上の訓 練にならない)といわれるほど扱いやすい機体で、戦前戦中を通して陸軍を代表する練習機として活躍した。
 なお練習機を総称して赤トンボ(練習機塗装色が橙色だったので)と呼ぶことがあるが、最初に橙色に塗装した機 体はこの九五式中間練習機であったと言われる。戦争末期には一部の機体が特攻に使用されたが、速度の低さや防弾 性皆無な機体のため多大な損害を出している。
 余談ながら当機は陸軍以外に民間操縦士育成(航空局乗員養成所)や海外輸出(中華民国、タイ、インドネシア) などでも使用されている。

機体詳細データ(九五式一型甲練習機[キ9甲])
全長 7.90m全高 3.10m
全幅10.31m翼面積24.50m2
自重1,120kg最大重量1,580kg
最高速度240km/h上昇限度5,800m
航続時間3.5hプロペラ木製固定ピッチ2翅
発動機瓦斯電九五式(ハ13)空冷星形9気筒 公称350馬力×1基
乗員数 2名総生産機数2,618機
武装武装なし
主要タイプ キ9:階梯機試作型。制式採用となった中練型は3号機だった
甲(キ9甲):初期生産型。中間練習機型。すぐに乙型へ生産が移行したため数は少ない
乙(キ9乙):改良を加えた主要生産型。重心点の適正化、機体重量の軽減などを施した