愛知 夜間戦闘機「電光」

海軍:昭和18年〜19年

「艦爆屋」愛知が初めて手がけた本格戦闘機

電光
夜間戦闘機「電光」の実物大モックアップ

 太平洋戦争が始まる前からいくつもの艦爆を手がけてきた愛知航空機が初めて戦闘機設計に取り組んだ機体が この夜間戦闘機「電光」である。
 昭和18年に中島飛行機へ試作指示された局地戦闘機「天雷」と 同時期に試作指示が出されたもので、対B29迎撃 用夜間戦闘機であった。
 海軍が要求した性能を盛り込んだ設計により、機体は陸上爆撃機「銀河」と ほぼ同サイズの大型となった。しかも、形状は「銀河」と似通っているが、これは 「銀河」の製造ラインや治具を流用できるようにする配慮のためだったのかもしれない。
 胴体後部に遠隔操作の機銃砲塔を設け、敵機に併走しての銃撃を可能とする新機軸も盛り込まれていたが 昭和20年6月試作機の完成直前に工場がB29の猛爆撃を受け試作機は焼失、ついに実機が日の目を見ることは 無かったのである。
 なお、当機は唯一夜間戦闘機としての機種符号「S」が付与された機体である。

機体詳細データ(夜間戦闘機「電光」[S1A1])
全長14.25m全高 4.25m
全幅17.50m翼面積47.00m2
自重6,900kg最大重量10,180kg
最高速度590km/h(高度8,000m)上昇限度12,000m
航続距離1,600kmプロペラVDM定速4翅
発動機中島「誉」二二型空冷複列星形18気筒 公称1,860馬力×2基
乗員数 2名総生産機数実機完成せず
武装30ミリ機関砲×2、20ミリ機関砲×4、60キロ爆弾×4または250キロ爆弾×1
主要タイプ 電光(S1A1):複座夜間戦闘機。試作のみで実機完成せず