川崎 キ102試作戦闘/襲撃機

陸軍:昭和19年初飛行、終戦のため制式採用されず、昭和20年生産終了

キ102
キ102乙(四式襲撃機)

 陸軍はキ96を基礎に、戦局の変化に合わせて高々度戦闘機(甲)、地上襲撃機(乙)、夜間重戦闘機(丙)に改修できる機体の開発を川崎に指示し、昭和19年3月に完成した機体である。
 甲型はB−29迎撃を念頭に、開発されたばかりの排気タービン装備エンジン「ハ112−II型ル」量産型の完成を待って昭和20年初めに25機が完成した(連合軍の爆撃が激しくなり迎撃型である甲型の完成が急がれたため大半は乙型を甲型仕様に改修したものだった)。甲型は実用テスト飛行中に上空へ侵入してきたB−29を撃墜した実績もあり、エンジンが所定の性能を発揮すれば恐るべき迎撃機になる能力を秘めていたと言える。
 乙型は排気タービン無しの「ハ112−II型」エンジンと大口径57ミリ機関砲を搭載した地上襲撃機として生産を開始、昭和20年春から一部の部隊へ配備されており、部隊では『四式襲撃機』の名称で呼ばれていたが実際には制式採用は行われていない。、乙型は終戦までに215機が完成しているが本土決戦に備えて大半の機が温存され、一部が沖縄で使用された以外は実戦参加しなかった。
 また、ごく少数の乙型が夜間戦闘機部隊に配備され本土防空にも使用されている。この防空任務に使用された機体は非公式に『五式複座戦闘機』とも呼ばれていた。
 丙型は完成した甲型を改修、甲型の翼面積の増大と胴体を約1メートル程延長し高空性能を高め、胴体には30ミリ口径の斜銃を搭載した機体であったが、1号機の完成が終戦直前であり実戦には間に合わなかった。

機体詳細データ(キ102-乙)
全長11.45m全高 3.70m
全幅15.57m翼面積34.00m2
自重4,950kg最大重量7,300kg
最高速度580km/h(高度6,000m)上昇限度11,000m
航続距離2,000kmプロペラハミルトン定速3翅
発動機三菱四式(ハ112−II)空冷複列星形14気筒 公称1,350馬力×2基
乗員数 2名総生産機数 240機程度
武装57ミリ機関砲×1、20ミリ機関砲×2、12.7ミリ旋回機銃×1、爆弾最大500kg
主要タイプ キ102:原型機および生産前機の呼称
甲型(キ-102甲):高々度迎撃機型。37mm機関砲×1、20mm機関砲×2、12.7mm旋回銃×1
乙型(キ-102乙):当機体唯一の制式機。地上襲撃機型。57mm砲などを装備
丙型(キ-102丙):夜間戦闘機型。レーダー搭載、30mm機関砲×2、20mm機関砲×2