三菱 九〇式機上作業練習機

海軍:昭和5年〜15年

世界初の機上作業要員訓練専用機

九〇式機練
霞ヶ浦空所属の九〇式一号陸上機上作業練習機

 操縦士以外の航空機搭乗員(航法士や爆撃手、銃手など)が機内で行う作業の訓練を行うための 機体の必要性が高まっていると判断した三菱は昭和3年、自主的に機上作業練習機の開発を開始した。
 海軍の意見を取り入れ、英国人技師スミスに設計させた複葉型とユンカースF13旅客機改造の高翼 単葉型の2案を完成させた三菱は同案を海軍に提出、海軍では用途を考慮の上、高翼単葉型を選びこれ を元に計画要求書を交付した。
 計画要求書に基づき昭和5年には試作機が完成、審査改修の結果昭和6年10月に九〇式機上作業練習機 として制式採用された。
 当時世界各国の軍隊では同種の機体は採用されておらず、世界初の機上作業練習機となったのである。

機体詳細データ(九〇式一号陸上機上作業練習機[K3M1])
全長 9.70m全高 3.82m
全幅15.78m翼面積34.50m2
自重1,179kg最大重量1,900kg
最高速度171km/h上昇限度不明
航続時間5.3hプロペラ固定ピッチ2翅
発動機日立「天風」一一型空冷星形9気筒 公称300馬力×1基
乗員数 4名総生産機数624機
武装7.7ミリ機銃×2、10キロ訓練用爆弾×10
主要タイプ 試作機(4MS1):試作機。「ヒ式」三百馬力(公称300hp)発動機搭載。4MS1は社内呼称
一号陸上(K3M1):最初の生産型。「天風」一一型発動機搭載。社内呼称4MS2
一号水上(K3M2):降着装置を双フロート化した水上機型。生産数は多くない
二号陸上(K3M3):「寿」二型改一または改二(公称500hp)発動機搭載の改良型
陸上輸送機(K3M3-L):二号陸上機練改造の輸送機型
陸上輸送機二型(K3M3-L2):二号陸上機練改造の特殊輸送機型。落下傘兵訓練用